たこ焼きが焼き上がる過程全てを枚1の絵で表現した作品がSNSで話題になっている。
油の敷かれたたこ焼き用の鉄板に生地やタコ、天かすが入れられ、段々焼き目がついていく美味しそうな動画。
しかしよく見ると、たこ焼きをひっくり返すピックが実は筆。実はこれ、最初の鉄板から生地を描き、タコを描き…と、上から重ねて描き続けられた1枚の絵だったのだ。
そのリアルさにネットは騒然。13万いいねを集めた。作品を制作したのは調理師でもある写実絵師の山田めしが(@meshishi)さん。詳しく話を聞いた。
いろんなメニューの中からたこやきを選んだ理由は?
山田:若い頃、たこ焼き店に長く勤めていた為、焼くのが大好きで2店舗をかけ持ちしたほど。食べるより、とにかく焼く事が好き。調理師として働くようになりたこ焼き店は退職しましたが、何年経っても突然「焼きたい病」がきます。
9月に初めて大阪で個展をしたのですが、たこ焼き屋さんを見かけるたびに、「あー焼きたい!」と禁断症状に陥りました。今の私の生活の中で焼ける場所は、紙の上しかない!と思い、描く事に決めました。
――とても時間がかかりそうな繊細な描写ですが、集中力や描き続けられた秘訣は?
山田:長編大作なので「無理はしない」と最初に決めました。ひっくり返す前の生地を流した辺りで一度スランプに陥りかけましたが、たまたま勤めていたたこ焼き店がSALEで忙しいから働いてくれ、と声をかけてくれ、3日間たくさん焼かせていただきました。5年ぶりだったのですがいい気晴らしになり、そこから一気に制作が進みました。
――モデルになったたこ焼きはありますか?
山田:描こうと決めてすぐ、家のたこ焼き器で焼きました。「制作のモデルは自分で作って撮影する」を心がけているので、美味しそうな状態を撮影し、写真を見ながら描いています。
より美味しそうに見せるため、たこはモデルより少し大きめ。紅しょうがや天かす、返した後の生地は実際よりも鮮やかに見えるよう調整しました。見どころは、流した生地にどんどん火が通っていく場面です。
――ただ綺麗なだけでなく、迫力や生活感も感じましたが、表現のコツは?
山田:「あるある」を必ずどこかに入れています。今回は具材が全ての穴に均一に入っていないとか、端っこのたこ焼きは焦げてるとかですね。
――紙の上で料理が出来上がる作品、他にはどんなものを描きたいですか?
山田:「衣をつけて揚げる」流れを描いたことがないので、フライにチャレンジしたいです。パフェを盛り付けたり、朝食ビュッフェ、七輪パーティーなど。「お腹空いてきた」「食べたくなってきた」と思ってもらえるような楽しい作品を描き続けれたらいいなぁと思っています。
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SNSでは「こだわってたこ焼き焼く人やな…と思ってたら絵!?」「やってる事の理論は分かるが、理解ができねぇ」「本物以上。こんな大きなタコもう入れられない」などの反響が集まった。本物を超えたたこ焼き、是非ご覧いただきたい。