ウクライナのゼレンスキー大統領が23日、日本の国会でウクライナ語によるオンライン演説を行った。外国人首脳として、国会でオンライン演説を行うのは史上初めて。
ゼレンスキー大統領は約12分間、演説を実施。日本の支援に感謝を述べ、最後には日本語で「アリガトウ」と語る場面もあった。
冒頭では、ウクライナと日本の約8000キロに及ぶ距離に触れた上で「日本とウクライナの間には自由を感じる気持ちの差はないです、生きる意欲の差もないです」と発言。「日本がすぐ援助の手をさしのべて下さいました。心から感謝いたします」「アジアで初めてロシアに圧力を掛けてくれました」と感謝の意を示した。
また、チェルノブイリ原発に触れ、ロシア軍の侵攻によって地中に埋められていたがれき等から放射性物質が空気中に放出されたと主張。さらに「ウクライナには現役の原子力発電所は4カ所、15の原子炉がありまして、全て危険な状況にあります」と苦境を訴えた。
日本については「アジアのリーダーになりました」と評価したゼレンスキー氏。一方でロシアに対しては「(面積が)最大の国が戦争を起こしましたが、能力は大きくない。道徳の面は最小の国です」と厳しく批判し、国連についても「安全保障理事会も機能しませんでした」と疑問を呈した。
ゼレンスキー大統領は16日にアメリカ連邦議会でオンライン演説を実施。その際に第2次世界大戦における日本軍の「真珠湾攻撃」に触れたことで物議を醸していた。この日の演説では、過去に触れる発言は行わなかった。