ひとり芸日本一決定戦「R―1グランプリ2022」の決勝が6日、都内で行われ、グレープカンパニー所属のお見送り芸人しんいち(36)が優勝。芸歴10年目の出場ラストイヤーで悲願の栄冠と賞金500万円を手にした。
人目をはばからず大号泣したしんいちは「2017年にネタをめっちゃ飛ばしたブルゾンちえみに、ありがとうと言いたい」と持ち前の毒舌ネタをさく裂。「(Rー1に出られない)10年以上の先輩でも、めっちゃ面白い先輩がいっぱいいる。ライブとか来て欲しい」と、涙ながらに呼びかけた。
節目の20回目となったR―1は、前年を上回る3199人がエントリー。kento fukaya、お見送り芸人しんいち、吉住、サツマカワRPG、ZAZY、寺田寛明、金の国渡部おにぎりの7人に、復活ステージを勝ち上がったYes!アキトを含めた8人で争われた。
ファーストステージでは、2021年準優勝でラストイヤーの優勝に燃えるZAZY(33)がトップ通過。2位はしんいち、吉住、渡部おにぎりの3人が同点で並び、5人の審査員による決選投票でしんいちがファイナルステージに進出した。
しんいちは最終決戦ではギターを手にした弾き語りで「応援するよ」と、さまざまな人に毒を吐いていく歌ネタで笑いを誘った。わずか1票差でZAZYとの〝ラストイヤー対決〟を制し、9度目の挑戦で頂点に輝いた。
所属事務所・グレープカンパニー初のR―1グランプリV。同事務所のお笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおが芸名を命名し、富澤たけしがギターを手にしての歌ネタを提案したという。「あなたたちがいなければ今はないと心から思っている。ありがとうございます。それしかないです」と先輩に感謝した。
放送後、母親に電話で優勝報告し、またまた大号泣。バイトを続けながらの芸人生活に「ダメピン芸人だった。使いものにならなかった。仕事ない時期が長すぎた。本当に食えなかった。父と母にお金も借りていた。全部返したい」と、不遇の日々を振り返った。クビ寸前で引き留めてくれたマネジャーにも感謝の念を語ったしんいちは、優勝賞金500万円を両親に全部渡すと公言。毒舌キャラとはかけ離れた、心優しすぎる一面を見せていた。