「去年の春の話なんですが、暖かくなると変な人が現れ始めます…。」
作者の実際の体験を紹介したエッセイ漫画「渋谷で変な女性に絡まれたときの話」がSNS上で注目を集めている。
この漫画は漫画家のコンテくんさん（@conte_kun）によるもの。
仕事終わりに渋谷駅に向かって歩いていると、おもむろに年輩の女性から「ずっと私のことつけてきてたでしょ…この変態！」と罵倒されたコンテくんさん。もちろん覚えはないが、ただの勘違いなのか、はたまたクレーマー癖のあるヤバい人か…。コンテさんは不本意ながらも騒ぎを大きくしないために「勘違いさせてすいません」と謝ってことをおさめ、どうにか難を逃れたのだった。
このいかにも春らしいエピソードに、SNSユーザー達からは
｢このイラストシンプルなタッチで描かれてるけど、変な人の目つきというか表情が物凄くリアルでヒィッ！ってなった。
ウチの近所にこういう妄想おばさんいるんだけど同じ目をしてる。
そして不審者の出没で感じる春の訪れ…(嫌)｣
｢優しそうな外見の人とか、言いがかり掛ける対象に狙われる気がしますね。コールセンターでも声の柔和な人が大体絡まれます💦｣
など様々な反応。
｢私は女ですが、このお話と全く同じ場面に遭遇したことがありました。冷静に対応なさっていて尊敬します。｣
｢新宿高島屋の地下で全く同じ経験をしたことがあります
ただただ気味の悪さだけが印象に残っていて今でも思い出します。。｣
といった同様の経験をしましたという声も多く見受けられた。
コンテくんさんにお話を聞いた。
橋本きのこ（以下「橋本」）：この体験を作品にしようと思ったきっかけを教えてください。
コンテくん：マンガの通りにからまれてしまったあと、何とかかわしたものの、ちょっとモヤモヤが残ってしまったんです。すっきりしない感じがあって。でもこれは同じような経験をしている人は男女問わずいる気がして……。そういう経緯で、自分の体験談を残しておこうと思い描きました。
橋本:なるほど。確かに同じような事を経験したことがあるというコメントは多くありましたね。
経験された事を作品として描く上で、工夫された点など教えてください。
コンテくん：こういう実体験を描くにあたって少し迷うことがあります。「はばからず何でもネタにしてる人」と思われるんじゃないかなと。でもこういう体験談を通じて「なるほど、そういうことがあるのか……！」と思ってもらうことも大事なのかなと考えるようにもなりました。
以前に「背が低すぎて大学病院に行かされた話。」というマンガを描いたのですが、その時に「なるほど！」「娘も背が低くて……」などさまざまな声をいただいて体験の共有の意義を感じました。そういう意味でも、男性側の被害体験をちゃんと残しておこうかと思いました。
難しいテーマなので、なかなかバランスを取りながら描くことは難しいのですが、これからもエッセイは描いていきたいです
橋本：確かに、その線引きは難しい点ですね。リアルな体験談と共有というのが大きな反響に繋がったのかもしれません。
最後に、SNS上での反響についてご感想を教えてください。
コンテくん：基本的に温かいコメントが多くて、具体的な解決策を提示してくれる方もいました。「つけられているかどうかの判断基準」として「同じところをグルグル回る」「速足になったりゆっくり歩いたりする」「建物に入る」…それでもついてくるなら間違いないという情報共有には「なるほど……！」となりましたね。
しかしなかには「これが後にセカンドハラスメントになっていくこともあるのかな……」と思うものもありました。今回の内容に関してはジェンダー、症状、対応の仕方などさまざまな見方ができるので、なかなか難しいテーマだなとも感じました。
◇ ◇
読者のみなさんもあらぬ疑いをかけられた時にはぜひコンテくんさんの体験を参考にされたい。
コンテくんさんはこれまでにも変態にナンパされた体験をつづった「僕は変態♂に絡まれやすい。」や中高を男子校で過ごした体験をつづった「男子校エッセイ」などのエッセイ漫画が話題に。
今後どのような作品を世に送り出していくのか注目したい。
コンテくんさん関連情報
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