宮崎県都城市では2021年8月から、マイナンバーカード申請補助自動車「マイナちゃんカー」による申請サポートを行っている。総務省公式サイトで発表された「マイナンバーカードの市区町村別交付枚数等について(今年2月1日現在)」では、全国の「人口に対する交付枚数率」が41.8%である一方、同市は76.1%と日本の市で一番の普及率を誇る。
オレンジ色をベースとしたラッピング車には、かわいらしいウサギのキャラクター・マイナちゃんが描かれており「このクルマでマイナンバーカード申請できます!」のド派手文字が印象的だ。市役所まで足を運ぶのが難しい高齢者に向けてサービス開始。市職員を自宅に招き入れる必要がなく、顔写真の撮影から申請書の記入まで、車の後部座席を用いて行われる。
都城市デジタル統括課の佐藤泰格氏によると、サービス開始からの利用者は1500人ほどで市全体の交付枚数の約1%だが、同車には〝広告塔〟として数字に表れない間接的な影響力があるという。「ラッピングを派手にしていますので、車自体がマイナンバーカードの宣伝になっています。実際に駐車場に止まっている車を見て、取り組みを知り申請に来た人もいらっしゃいました」と明かした。
同市では、企業や地域単位での5人以上の申し込みを対象とした出張申請のサポートをマイナンバー制度開始時から行っていた。持ち運びができるタブレットを使用した取り組みは「都城方式」と呼ばれ、全国に広がっているという。
他にも、コンビニでのマイナンバーカード利用で各種証明書を安く取得可能にしたり、民間施設でのカード提示で市民限定の特典を用意するなど、献身的な取り組みが高い普及率につながったと推測した。