漫画家ムロタニ・ツネ象さん死去、87歳 遺影に直筆イラスト 子ども向け歴史漫画の名手

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
自宅で赤松健さん(左)に電子化の相談をもちかけるムロタニ・ツネ象さん=2015年(遺族提供)
自宅で赤松健さん(左)に電子化の相談をもちかけるムロタニ・ツネ象さん=2015年(遺族提供)

 漫画家のムロタニ・ツネ象(本名・室谷常蔵)さんが2021年11月22日、老衰のため都内の自宅で死去したことが25日、分かった。87歳だった。故人の遺志で葬儀は行われなかった。

 大阪府生まれ。戦時疎開で佐賀県唐津市に転居し、1953年「毎日中学生新聞」の「日本歴史漫歩」でデビュー。唐津高校卒業後は毎日新聞西部本社に勤務し、デビュー後の50年代末に上京。60年代にかけギャグ、ホラーを手がけ、代表作に「ビリビリビート」「地獄くん」など。70年代以降は子供向け学習マンガの描き下ろし単行本で活躍し、『学研まんが人物日本史』や『学研まんが 世界の歴史』など、偉人伝・歴史読み物を中心にロングセラーを残した。

 関係者によると、遺影はムロタニさんが描いたイラスト。2015年には過去の作品の電子化を、Jコミックテラス社会長で漫画家の赤松健さんに持ちかけことがきっかけで、同社が運営する電子書籍サイト「マンガ図書館Z」にて2016年7月から現在までに「わんぱくター坊」をはじめとする11作品が配信されている。

 多数の作品原画が残されており、その整理保全や、展示復刻などの利活用について、文化庁事業「マンガ原画アーカイブセンター」の支援を受け着手しつつあったという。赤松さんは自身のツイッターを更新し「藤子F先生を『藤本』と呼び捨てできたレジェンド級漫画家、ムロタニ・ツネ象先生が亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。今後は各所と協力して、原稿の保管を行います」と悼んだ。

 

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