「勝訴犬」「ハムスターモナカ」など大ヒット 「いいね」29万超の”バズる”会社はたった2人で運営

 ユニークな商品を企画する「株式会社2時」は21年、判決を持ってくる犬用おもちゃ「勝訴マスコット」や「ハムスターモナカ」など数々のヒット商品を生み出し、SNS上で幾度も大きな話題を呼んだ。一躍有名になった同社は約1年前に創業したばかりで、社員は2名のみ。代表の楢﨑友里氏は「文化祭みたいな会社」と制作のやりがいを語った。

 同社は商品の企画やデザインをするプランナー2名で構成され、”バズる”アイデアを多く生み出す。21年は”判決”が書かれた犬用のクッションおもちゃ「勝訴マスコット」(通称・勝訴犬)で29・1万以上、パソコンに表示される「Cookie」のメッセージをモチーフにしたクッキー型で12・7万超の「いいね」を獲得し、注目を集めた。ナッツを持つ姿が愛らしい「ハムスターモナカ」は1万件以上リツイートされ、即日完売した(数字は12月29日時点)。

 これらのSNSでのヒットについて楢﨑氏は「狙ってやっています」と告白。「ツイッターの注目度を高めたり、面白いことをやっている会社があるとアピールしたりしたかった」と説明した。SNSで話題になることで、製品化のオファーや仕事の依頼が来ることもあるという。

 ”バズる”秘訣は「ツイ廃」というほど「毎日ずーっとツイッターを見ている」こと。人気の投稿から、題材や文体などの傾向を分析している。ユニークなアイデアを生み出すコツについては「最近『めっちゃ寝ること』だと気づいたんです(笑)。やっぱり頭が動いていなかったら、アイデアを考える仕事には厳しい。今日は9時間以上寝ました」とおちゃめに語った。

 「私たち、根っからの『あきんど』だと思うんです」。同社は話題になるものづくりをすることが多い。楢﨑氏は「お客さまからの反響があってなんぼと思うタイプなので、自分が心から作りたいものや”誰にも見てもらわなくていいから表現したい”みたいなものがあまりない」と話し、「『みんなこういうものが好きかな』という方が喜びを感じる」と考えを明かした。

 楢﨑氏の前職は通販大手・フェリシモのユーモア雑貨プランナー。現在、一緒に会社を運営する「バディ」こと田中桃子氏とは前職時代に出会い、約7年間仕事を共にしていた。2人は「面白いと思うものの感覚が似ている」といい、けんかをしたことがない仲良しぶりだという。

 2人は大企業から独立し、取引先の選定や投稿の推敲などの判断、商品の撮影も自分たちで手がける。楢﨑氏は「予算も全然ない小さな会社なので、手作りで全部自分たちでやる。どうやったら売れるかなと研究して工夫して、自分たちの発想次第でうまくいくか変わるところが面白いと思います。文化祭みたいな感じです」と、企画を作り込むやりがいを語っていた。

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