【漫画】「切なすぎる」と話題 大手広告代理店出身の異色作家が描く”年末に読むのは危険な作品”

橋本 未来 橋本 未来

 あらゆる魅力を備えた漫画作品が登場するなかで、“切なさ”をキーワードに作品を描き続ける漫画家がいる。大手広告代理店出身という異色の経歴を持つ、うえはらけいたさん。第12回コミチ漫画大賞を受賞し、Twitterでは“泣ける漫画”として話題をさらった純愛漫画『コロナが明けたらしたいこと』(2021年7月刊/アスコム)でのデビュー以来、読むと思わず切なくなってしまう作品を発表し続けている。今回は、“切ない漫画家”であるうえはらさんとインタビューと共に、年末に読むのは危険過ぎる切ない作品を紹介する。

落ち込んだ日に読むのは危険!『ゾワワの神様』

広告会社にコピーライターとして入社した彼と、職場の人たちとの交流を描いた作品。特殊な業界とはいえ、作中で紹介される仕事への向き合い方やプロフェッショナルとしての心得を教わるシーンには、まさに心がゾワワとしてしまうこと間違いなし。落ち込んだ日に読むと、どこまでも落ち込んでしまいそうになる危険な怪作。

「この作品は、会社員時代に見聞きしたさまざまな教えや教訓などを毎回1つ紹介していくような構成になっています。広告業界でのエピソードがベースではありますが、それ以外の業界の方でも何かしら得るものがあるのではないかと思っているのでぜひ幅広い方々に読んでいただきたいですね」

自己肯定感の低さを越えられるか。『愛されない僕と、愛せる人々』

生まれつき自己肯定感が低いことにコンプレックスを抱いていた主人公の男性。大学で初めてできた彼女との出会いや友人との交友、そして、自己肯定感を高める手術を受けていく不思議な展開のなかで、男性は別の人生を手に入れようともがく……。

「2年前に『キナリ杯』というnoteが主宰していた賞に合わせて制作した漫画になります。僕が社会人時代に人間関係も仕事も何もかもうまく行かず、一番悶々としていた時期の思い出をぶつけた内容なのでかなり荒削りですが、同じ境遇の方は共感してくれるかもしれません」

コピーライター経験があるため、登場人物たちが放つセリフの鋭さも秀逸。うえはらさん自身、「コピーライター経験があるので言葉の扱いにかなり慎重になったのですが、これはセリフを作る上で役に立つスキルになっています」と話すほど。今後は、「憂鬱な月曜の朝、出勤中に読んで励まされるような、働く人を主人公にした漫画を作りたいと思っています」と話す、うえはらさん。これから発表される作品にも注目していきたい。

うえはらけいたさん
【note】 https://note.com/keitauehara
【Twitter】https://twitter.com/ueharakeita?s=20

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