よろず～ミステリークイズ　「ABCの血文字」メッセージに隠された真実　#20

　アパートの一室で、男子大学生がナイフで刺された死体となって発見された。
　現場についた加茂警部は、血まみれの床を見ながら、根木刑事に話しかけた。
「奇妙な血文字が残っていたんだって？」
「はい。被害者は死に際に、血で床に文字を書いてます。それがアルファベットのABCでして…」（図参照）
「ABC…!? なぜ、そんな文字を…」
「わかりません。被害者の名は、原塚真輔。近くのZ大学の学生です。このアパートの住人はZ大学生が多く、死体を発見した3人も同じ大学の生徒ですね」
「発見者が3人もいるのか」
「物音を聞き、一緒に被害者のいる12号室へ行ったそうです」
「話を聞いてみよう」
●勝元和希(11号室）の証言
「物音が気になり廊下に出ると、もう12号室の前に鏑木くんと清武くんがいました。3人で顔を見合わせ…扉を開けたのは私です。血まみれの体が見え、私はその場で立ち尽くしてしまいました。犯人は窓から逃げたのでしょうか…」
●鏑木祐平(13号室）の証言
「悲鳴が聞こえた気がして、廊下に出ました。すぐに清武、勝元も出てきて…扉を開けると、血まみれの原塚が見えたので、側に近づきながら『119番!』と叫んでました。でも体に触れた時、もう手遅れと思いましたね。ええ、その時に血文字に気づきましたよ」
●清武達弥(14号室）の証言
「たまたま廊下に出たら、鏑木が12号室の前にいて『様子がおかしい』と。11号室から勝元も出てきて、3人で扉を開けることにしたんだ。死体を見て、俺も側に行こうかと思ったけど…鏑木が『119番!』と叫んだから、俺が携帯で連絡をとったんだ」
　証言を聞き終えた加茂警部に、根木刑事が報告する。
「3人全員、被害者から借金していますね。金のトラブルが動機かもしれません」
「それにしても、なぜ被害者は犯人のイニシャルでなく、ABCと書いたんだ。もっと単純に犯人を示せなかったのかな…おや、この文字は…そうか、犯人がわかったぞ!」
　さて、警部の推理する犯人は？