懐かしのゲームボーイソフトまた遊べる! 夢のゲーム機「Analogue Pocket」がコロナ禍の混乱経て発売

橋本 ダイスケ 橋本 ダイスケ

1989年に発売され、多くのゲームキッズ達を虜にした任天堂の携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」「ポケットモンスター」などの大ヒットゲームを生み出し、ゲーム黄金期の一端を担った偉大なゲームハードだ。

ゲームボーイのヒットを受け、セガからは「ゲームギア」、SNKからは「ネオジオポケット」と、様々な携帯型ゲーム機が登場。ゲームボーイ自体も、軽量化・小型化された「ゲームボーイポケット」、カラー液晶を搭載した「ゲームボーイカラー」、そして次世代機となる「ゲームボーイアドバンス」と当時のゲームキッズ達と同じ様に成長を続け、各ハードがその特色を活かして展開していった。しかしみんな一度はこう思った事があるのでは無いだろうか。「全部のソフトが遊べるハードがあればなぁ」と。

今回、とうとうそんな夢を実現するハードが発売される事になった。「Analogue Pocket」だ。

Analogue Pocketは2020年8月にECサイトで予約が開始され、わずか8分で完売していたが新型コロナウイルス感染症の影響で生産体制が停滞。最近になってようやく十分な在庫が確保され日本時間の12月15日午前1時より予約を再開した。

Analogue Pocketはゲームボーイ互換機の一つであり、ゲームボーイやゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンス用ソフトに対しての互換性があり、別売りのアダプターを購入する事により、ゲームギアやネオジオポケットのソフト、更には日本人にはあまり馴染みの無い「アタリリンクス」のソフトにまで対応するマルチゲーム機。現時点で発表されてるアダプターは3種類だが、今後の展開次第では「ワンダースワン」等の携帯ゲーム機をカバーする可能性もある、まさに夢にまで見た"全部のソフトが遊べるハード"になり得るガジェットだ。

現在多く出回っているエミュレーターが内臓された中国系の格安ハードとは違い、自身が実際に所持しているソフトで遊べるという部分にゲーマー達は価値を見出しているようだ。過去に「マジコン」が著作権問題を巻き起こしたように、所持していないソフトをプレイする事はルール違反だからだ。

また1600x1440ピクセルの解像度を持つ3.5インチのバックライト付きLCDスクリーンが搭載されており、ゲームボーイソフト等、古いゲームも非常にクリアな画面でプレイ出来るというのも魅力。当時のハードとのグラフィックの違いは、古くからのユーザーとしては大きな関心事なのだ。

「Nintendo Switch」のようにドックに搭載して大画面で遊べる機能も注目されている。携帯ゲーム機は小さな画面で遊ぶのが基本だが、過去に「スーパーゲームボーイ」というテレビでゲームボーイのソフトが遊べる機器があったことからわかるように、一部ユーザーの間には大画面でプレイしたいというニーズがあるのだ。テレビ自体の画質や画角も昔とは大きく変わっているので、現在の大画面ではどうなるのか気になるところだ。

これだけ注目を浴びているとなると買占めや転売が心配だが、それに関してはメーカーから頼もしい発表がある。bot(自動プログラム)による買占めや、販売前のネットオークションでの出品等を監視するなど転売対策を講じるというのだ。もちろん不正行為を完全に排除する事は不可能だろうが、商品が公平に行き渡るように努力してくれるというのはユーザーにとって嬉しい。

Analogue Pocketは199.99ドルと決して安くはないが、一人で思い出に浸るにも、友人や家族と昔話に華を咲かせるにも使えるアイテムだと思う。またゲームボーイを知らない世代にとっても新たな発見が多いだろう。

現在も中古ショップでは多くのレトロハードが販売されているが、機械である以上いつかは起動しなくなる。いくら湾岸戦争の砲弾の雨にも耐えた実績があるゲームボーイと言えども、形あるものはいつか壊れるのだ。数々の名作ソフト達の面白さや凄さを後世に伝えるためにも、このAnalogue Pocketのように最新技術を詰め込んだハードが今後も発展してゆく事を期待したい。

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