言葉を組み合わせて”おじさん構文”を作るボードゲーム「オジサンメッセージ」がネット上を中心に話題となっている。製作した渡邉亮氏(35)は「気持ち悪い文章ができても、ゲームなのでみんなで笑いながらできる」と魅力を語った。
おじさん構文は、主に若い女性にメッセージアプリで使用される言い回しを指す。「○○ちゃんもう寝ちゃったカナ?」というようにカタカナや絵文字の多用。長文の自分語りなどが特徴にあげられている。
渡邉氏は、製作過程で女性1000人に「おじさん構文」に関連したアンケートを実施。その回答から、逐一の経過報告や距離感を近づけようと絵文字やビックリマークを使用する”努力”が、かえって気持ち悪く受け取られてしまっていることに気づいた。「このゲームを作った結果、普段のやり取りで絵文字を使うことが極端に減りました」と明かすように、自身のメッセージを客観視し学ぶことで今後の人生に役立ててほしいというおもいが込められた。「決しておじさんをばかにしたいわけではないんです。ゲームの中でポジティブに”ネタ”としてプレイしていただければ」と語った。
女性の購入者も多く、作成したメッセージがSNSにアップされているのをみるという。実際に近しいメッセージを受け取った際も「ゲームの時に出たあのワードだ!」と”耐性”がつくメリットがあると推測する。「ゲームだからわざわざ気持ち悪くできたメッセージをアップできるんです。『こんなすごいのができたぞ』という風に逆に見てもらいたくなる」と声を弾ませた。
使用するカードには「ぶっちゃけ何カップ?」「ロックオン!」らのフレーズが1面に2つ、裏表で計4つ記載されている。同ゲームでは、100枚の山札から引いた7枚の持ち札から好きな枚数を組み合わせる。女性役にブロックされる最も気持ち悪い”おじさん構文”をつくった人が勝利となる。
製作したのはボードゲーム好きの4人が集まった同人サークル「ドヤゲームス」。今年4月から製作を進めた。ゲームの方向性がある程度定まった頃、600あったワード候補を400に絞る作業が特に大変だったという。「単体でおもしろいワードばっかりにすると癖が強くなるし、普通のおじさん構文で使われる言葉ばかりになると結構おもしろみがなくなるんですね。なので、実際言わないだろうみたいなワードもいれました」と振り返った。月に2回、5時間にも及ぶオンライン会議を繰り返し、「おじさんパーティー」「ちんすこう」などプレイヤーの想像力に期待したワードも取り入れられている。
他にも空白のカードで「既読・未読無視」された時間経過を表せるように工夫。また、助詞のカードを作らず、リアリティーを追求した。11月に出店した「ゲームマーケット2021秋」では、初参加にもかかわらず開始4時間で完売。ツイッターでも同ゲームが紹介されたツイートが2万リツイートを超える”バズり”をみせ、想像以上の大反響だった。めざましテレビ(フジテレビ系)からも取材オファーがあり「一週間前の自分に言っても信じない」と苦笑いを浮かべた。
全400種類のワードを組み合わせて生まれるメッセージは、「ヤフー知恵袋調べですが」と前置きした上で169京通り以上。「再現性を重要視してテストプレイを何度もしました。どの方が遊んでもおもしろい言葉が作れるようになっています」と自信を口にした。
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