「今の若い子は勝負経験が少ない」ビジネス経験値を上げる!法人向けボードゲーム

 一般社団法人日本経営協会が、法人向けにボードゲームを貸し出すサービス「るーでんすぱーてぃー」を立ち上げ、ボードゲームのラインアップを募集している。同サービスではビジネスの場で活用しやすいゲームを選別し、定額制でレンタルする。同事業を運営する一般社団法人日本経営協会・特命係の中村隆彦氏と吉野知恵氏が、職場におけるボードゲームの”効能”を語った。

 日本経営協会はこれまで、企業の社員研修やセミナーなどを手がけてきた。「るーでんすぱーてぃー」ではその知見を活用し、企業で働く人が研修の「1回きり」の体験ではなく、繰り返し遊べるゲームを通じてビジネスシーンに役立つ「能力」を身につけることを目的としている。

 ボードゲームでは、他のプレーヤーと交渉する力や計算力、展開を先読みする力が培われるという。お題に対する回答を考える「大喜利系」と呼ばれるゲームなどでは、アドリブ力や説明力も試される。吉野氏は「ただ能力が伸びるだけでなく『実は大喜利系が苦手』『手札の数字をカウントできない』など、弱いところや得意なところの発見にもつながり、それを改善していくことができるのではないか」と話した。

 「ビジネスの現場って、相見積もりがあったりと、勝った負けたが必ず存在するんですよね」。中村氏はビジネスの場とゲーム内の”勝負”に共通点を見いだしている。「今の若い子たちは、勝ち負けの経験が少ない。そうすると、うまい勝ち方・負け方が分からなかったりする」と語り、ボードゲームを通じて、短期間のうちに”勝負”を繰り返し体験できると説明した。

 中村氏は「生産性」が重要視される風潮への影響も期待する。「時間あたりの生産性を突き詰めて行くとどんどん”あそび”(=ゆとり)がなくなっていくんですよね。そういうのではなくて、会議の前に5分、10分(ゲームを)やるだけでその後の会議が質のいいものになったり、チームの雰囲気が変わったりすることは無駄ではないと思います。日本全体に余裕がない雰囲気を感じていて、それを少しでも変えていけるものになったらいいと思います」。 

 協会は、12月15日までラインアップに加えるゲームを募集する。約20種の採用タイトルを決めたのち、22年2月の試験運用開始を目指すという。

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