上司も部下も「相手の格好指摘できない」 男性の身だしなみ検定スタート ビジネスの装い体系化 

 一般社団法人JMA(日本メイクアップ技術検定協会)が、社会人男性の身だしなみの基礎知識を試す「メンズスタイルアップ検定」を新設し、来年2月27日に第1回試験を実施する。検定開始の背景には、企業や学校での身だしなみ指導が難しいという実情があった。

 JMA常務理事・芦田貴子氏によると、学校は就職活動の面接試験に生徒を合格させたいと考えるも、「正しい」身だしなみを体系的に教える機能がない。企業では「一緒に商談にいく上司の格好が恥ずかしすぎるけど言えない」など部下から上司に意見することは難しく、上司からも「個人の考えとして意見することがパワハラになってしまうのではないか」と部下への指摘を危惧する風潮があり、「きちんと外部から教えてほしい」と要望があったという。

 受験の公式参考書「メンズスタイルアップ検定 公式テキスト BASIC」も発売された。同書は、自分の顔の分析やスキンケア、ベースメーク、ニオイケア、スーツの着こなしなどの方法を説明する。

 芦田氏は「『ここ(テキスト)に載っている通りにしたらいいですよ』ということではなく、自分の身だしなみを作るための基本の理論や考え方が載っている」と強調する。学習者は髪型の項では「丸」や「三角」など異なる髪型(シルエット)が持つ印象の違いを理論的に学ぶ。さらに自分の顔型(「面長」や「丸型」など)と組み合わせることで、理想の印象に近づくために必要なスタイリングを選べるようになる。

 ベースメークの項では青ひげやクマなどを隠す、簡単で効果的に仕上がる手法も紹介する。同検定の企画担当・小泉静香氏は「男性は『メーク』や『美容』という言葉にまだ抵抗がある方がいらっしゃいます」と分析。公式テキストでは「身だしなみの延長線上」のメークを掲載する。「(化粧を)しているかしていないか分からないけど、ビフォーとアフターを比べるとすごく変わる」ものだという。

 「ビジネスで、身だしなみを整えることは、相手への配慮と敬意の表現であり、自身の好感度を高めるための武器になると考えています」と芦田氏。身だしなみによって周囲からの評価が変わることで、自らの成長にもつながるとし「学ばれた方ご自身のお仕事がさらに充実したものになることを願っています」と期待した。

 試験はマークシート式で行われ、合格証が授与される。

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