「タロットカード美術館」が伝える「人生の不条理」に直面した時のアドバイス

「大アルカナ」と呼ばれるカードを額縁に入れ、絵画のように展示している
「大アルカナ」と呼ばれるカードを額縁に入れ、絵画のように展示している

 タロットカード輸入大手・ニチユー株式会社(本社・東京都台東区)が「東京タロット美術館」(台東区)を16日にオープンし、開館から約1週間が経過した現在も入館予約が殺到するほどの盛況を見せている。

 「東京タロット美術館」は同社が保有数する約3000種のタロットカードコレクションから選ばれた約500点を展示。展示内容は不定期に入れ替わる。「007」シリーズの映画「死ぬのは奴等だ」に登場したタロットカードと同じ絵柄で、裏面に「007」柄が施されたカードなど希少なアイテムも並べられる。

 「自己との対話」をコンセプトにした館内には、タロットの関連書籍を並べたライブラリーや、セルフリーディングや書籍の閲覧をするためのフリースペースが設けられ、静かな時間が流れる。同社の佐藤元泰社長は、コロナ禍でリストラされたり、夢がかなわなくなったりと「人生の不条理」に直面した人に「自分としっかり向き合ってほしい」と話し、タロットカードについて「『当たる』『当たらない』」という占い的側面だけでなく「自己との対話の道具の一つとして利用してもらいたい」と語った。

 ライブラリーコーナーには心理学や天文学、占星術、神話などの書籍が備えられた。これまでのタロット関連書籍は「占い方」などの実用書が多かったといい、佐藤社長は「ここ数年、タロットがブームになってきて、ようやくタロットから心理学や天文学に広がりが出てきたので国内で(タロットの)文化が成熟したのかと思います」と分析した。

 カード作家ごとのユニークな世界観を見せる「美術館」として、カードを額装するなど展示方法にもこだわっている。22日までに約1000件の予約を受け付けており、タロットカードを「アートとして見てみたい」という客も多く来館しているという。

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