「撮り鉄」や「乗り鉄」などさまざまな鉄道の楽しみ方があるなか、アイロンビーズで車両を再現する「アイロンビーズ鉄」が注目を集め始めている。これまでに350種以上の作品を製作した「ひろちゃん」さん(41=Twitter: @hiroya0917)は「楽しくやるのがいちばん」とその魅力を語った。
普通列車や特急列車、新幹線、懐かしの車両など多種多様な乗り物を直径約5ミリメートルのビーズで表現する。「頭の中で、写真を見ずに『こんな感じかな』とはめていって、違ったら手直しを。直感的に『これかな』というような感じですね」。約15~20分間で1つの作品が完成する。
似通ったデザインで形式が異なる車両の、少しの”顔つき”の違いまで再現している。ひろちゃんさんは「(ビーズを)はめてみて、違うと思ったら1個差し替えてみたりとか。ビーズが5ミリくらいの大きさなので、1個差し替えたら結構イメージが変わったりする」と話す。ビーズの色にもこだわり、灰色だけでも4種のビーズを使い分けている。
祖母宅のすぐ近くに線路があったことから、「ずっと電車を見ながら育った」という。鉄道ファン歴は約40年で「乗るのも見るのも撮るのも好き」。約7年前、当時小学1年生だった息子のリクエストがきっかけでアイロンビーズと出会い、鉄道好きの友人らから「これはどう?」と製作を依頼されるたびにバリエーションが増えていった。
これまでに約350個の電車モチーフと、約20個のバスモチーフの作品を生み出した。普段は観光バスの運転手として働いており、最近は仕事仲間からの要望でバスモチーフの作品を作る機会も増えている。
アイロンビーズ鉄の魅力は「年齢関係なく、気が向いた時に自分の好きな車両を作れること」。ひろちゃんさんの作品を見て「まねしたい」とアイロンビーズ製作を始めた5歳児もいると声を弾ませ、「寒くなったら、お父さんお母さんが子どもさんと一緒に家でやるのもいいんじゃないかな」と語っていた。