今年7月、東京都議選の期間中に無免許運転で当て逃げ事故を起こし、書類送検されていた木下富美子都議が9日、東京都議会に登庁。都議選投開票日の7月4日以来、128日ぶりに公の場に姿を見せた。
午後1時から行われる公営企業委員会を前に、経緯説明を行うため正副議長との面談が始まった。赤のワンピースにジャケット姿で現れた木下都議は、正副議長を前に沈痛な表情を浮かべながら、常にうつむき加減だった。面談を終えた議長は「辞職されるべきだと申し上げましたが、ご本人からは辞職しないという言葉をいただきました。公人としてはこういうことを引き起こし、公人としての責任の取り方はどうなのかとおたずねしましたが、議員として活動して返していきたいといお言葉がありました」と、木下都議が辞職を拒否したことを明かした。
木下氏は、7月の都議選に、小池百合子都知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」の公認を受け、板橋区選挙区で出馬し再選を果たした。だが当選翌日の7月5日、選挙期間中に無免許運転で人身事故を起こしていことが発覚。同会から除名された。9月に道交法違反容疑で警視庁に書類送検された際には、免停期間中に6回にわたって無免許運転をしていたことも明らかになった。
木下氏は事故の発覚後、7月6日の当選証書授与式を無断欠席するなど、一切姿を見せず、雲隠れを貫いた。議会にも体調不良を理由に一度も出席せず、7月23日と9月28日には、都議会が辞職勧告決議を可決した。10月4日と14日には都議会から召喚状が送付されたが、こちらも〝無視〟する形を続けていた。
その間、自身の公式サイトでは、事故について謝罪はしたものの、議員辞職の意向は示さず。一方で、選挙活動のストレスや過度の不安による食欲不振、不眠などを訴えていた。木下氏には当選後、議員報酬など月に約132万円が支給され続けており、すでに約527万円が支払われている。12月1日まで在職すれば期末手当も満額の204万円が支給される見通しで、批判の声が集まっている。