具志堅用高の愛車遍歴、高速道路の事故で命を救ってくれたベンツとの絆 こだわりは「Eクラス」

北村 泰介 北村 泰介
現在の愛車「メルセデス・ベンツE43AMG」を前にマイカー遍歴を語る具志堅用高=都内
現在の愛車「メルセデス・ベンツE43AMG」を前にマイカー遍歴を語る具志堅用高=都内

 車選びにはその人の価値観、ライフスタイルが反映される。元ボクシングWBA世界ライトフライ級王者でタレントの具志堅用高は現役引退後に免許を取得して26歳で初めてマイカーを所有。愛車との生活は今年でちょうど40年となる。そのうち、ベンツ歴は現在まで27年。日本人男子世界王者では今も最多記録である13回防衛を誇る伝説のチャンピオンが、よろず~ニュースの取材に対して、自身の愛車遍歴を語った。

 故郷の石垣島で車とは無縁だった。「石垣島で車といえば、年に1回、遠足でバスに乗るくらい。あとは歩きですね。自転車に乗ることもなく、ひたすら歩いた」。興南高校に入学し、沖縄本島で車社会を初体験。米占領下の沖縄で車は右側通行だった。「那覇は車の交通量がすごかったね。怖くて乗れないと思った。アメ車が多かったですよ。沖縄の方が外車は安かった」。卒業後はより交通量の多い東京へ。免許を取得できる年齢になっていたが、車のキーは「お預け」になった。

 1976年10月にプロ9戦目の初挑戦で世界王座を奪取。80年10月には13度目の防衛に成功。この4年間もマイカーとは無縁だった。「プロに入った時に『車を運転してはいけない』と言われて、免許を取らなかった。チャンピオンの時、プロスポーツ大賞などで副賞として三菱や日産の新車を計3台いただきましたが、友だちや弟にあげました」。81年3月に地元沖縄での14度目防衛戦に敗れて王座陥落。引退を決めた。

 マイカー解禁だ。「引退後、1か月間、しっかりとスケジュールこなして車の免許を取りましたね。電車に乗って教習所に通った。受かってすぐ買ったのが日産車です」。それから現在まで40年間で10台の車に乗った。歴代の愛車は次のようになる。

(1)1981年 日産セドリック

(2)83年 トヨタ・クラウン

(3)87年 BMW5シリーズ

(4)94年 メルセデス・ベンツSL320

(5)2000年 同CL500

(6)10年 同E350アバンギャルド

(7)12年 同E55AMG

(8)14年 同E550アバンギャルド

(9)19年 同E63AMG

(10)20年 同E43AMG

 94年からベンツ一筋。「魅力は、やっぱり安定感だね。シートもしっかりして、運転していて疲れないよね。実はこれまで3回事故をしているんですけど、体は何一つケガしなかった」。中でも、最初に所有したベンツでの事故で、そのありがたみを痛感した。

 「早朝、ゴルフ場に向かって1人で運転している時でした。高速道路で、トラックが入って来て、私の車はクルクルと2回転してからガードレールに激突。死んでもおかしくない事故だった。車を取りに来た業者の人に『ベンツでなかったら死んでましたよ』と言われました。前も後ろもへこんだけど、車体の真ん中の心臓部分が強いんでしょうね。鉄骨というか、真ん中に強いのがいっぱい入ってるんですよ。その後も事故は2回あって、1人でゴルフ場に行く時と、仕事でマネジャーに運転してもらったロケの帰り。いずれもケガはなかったです」

 命を救ってくれたベンツには恩義がある。現在の愛車は、昨年8月から乗っている「E43AMG」。黒光りするイカしたボディーだ。10年購入の「E350アバンギャルド」以来、Eクラスにこだわる。

 「なぜEクラスに乗るかというと、形が好きなんですよ。チャンピオン時代に『いいな』と思って見ていたのがEクラス。女房のおやじさんも乗っていたしね」

 マイカーは「俺の友」だという。その友を傷つけないよう、事故防止として「寝不足」は禁物だ。「仕事はお付きの人が運転してくれたりするけど、ゴルフはだいたい1人で運転するし、帰りが眠たくなるね。60過ぎたら。だから、ゴルフの前夜は早めに10時か11時には寝るようにしています」

 「今後、乗ってみたい車」についても聞いた。

 「ベンツのワゴンです。でも、家の地下駐車場に入らないんですよ。天井の高さが、今の車でギリギリで、ベンツのワゴンは入らない。だから、いくら欲しくても、中に入らないから我慢してるんですよ。ワゴンは荷物もいろいろ入るのがいいね。孫を乗せる時は車高が低い国産のワゴン。それは家族が乗ってますが、ベンツのワゴンにも乗せてあげたいね。あと、赤いフェラーリ。おぎやはぎさんの番組(BS日テレの「愛車遍歴」)で初めて運転席に座らせてもらったんだけど、フェラーリ、よかったなぁ。赤いの。管理するのは大変だから、1回だけ、乗ってみたいなぁ」

 キラキラと目を輝かせる具志堅用高、66歳。「お疲れさまでした!」。右手を挙げ、E43AMGの運転席に滑り込むと、ハンドルを切ってさっそうと去って行った。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース