かつて朝ドラのヒロインを演じた国民的女優、その付き人を務めた男性の実話コミックが注目を集めている。今月10日に発売された『大物女優の付き人は、ほぼ奴隷の日々でした。』(ぶんか社)では「付き人」の実態と芸能界の裏側が赤裸々に描かれている。
俳優志望で大手芸能事務所に入った原作者・僕田友氏の体験を、西つるみ氏が漫画化。月刊コミック誌「本当にあった笑える話Pinky」の2019年7月号で連載が開始され、今年8月号で完結した。最初の仕事で「白鳥君子」の付き人となり、月給10万円で送り迎えや荷物持ちをはじめ、言われたとおりになんでもこなす日々の中、怒られてばかりだが、垣間見られる女優の優しさにホロっとさせられ、芸能人の金銭感覚や人間関係のドロドロなどに驚かされることも。ブラックでハードすぎる日々の奮闘劇となっている。
担当編集者は「やはり、『白鳥君子』は誰なのかを知りたがる声が大きいです。また、僕田さんは、読んだ方から〝俺ももっとがんばろうと思った!〟と感動的なメッセージをもらったそうです」と反響を説明。知人を介して僕田氏と知り合い、21歳から25歳の約3年半に及んだ付き人時代の話が非常に興味深く、作品化を決めた。僕田さんは違う芸名で現在も俳優として、映画、ドラマ、舞台などで幅広く活躍中という。
同編集者は「普段では知ることのできない、芸能界・芸能人の裏側が垣間見れるのは非常に興味深く、出てくる芸能人が誰なのかを想像しながら読むのも楽しい1冊だと思います」と読みどころを語った。単行本では僕田友氏と西つるみ氏の対談が収録され、漫画では描ききれなかったエピソードや、付き人を辞めてからの後日談が明かされている。