Vチューバー「戸定梨香」交通ルール動画がフェミニスト団体の抗議で削除 管理者は「逆に女性蔑視」と反論

福島 大輔 福島 大輔
Vチューバ・戸定梨花
Vチューバ・戸定梨花

 千葉県警は10日までに、ツイッターやYouTubeで公開していた子ども向けの交通ルール啓発動画を削除した。全国フェミニスト議員連盟から、動画に出演しているVチューバーの女性キャラクター「戸定梨香」について「おへそが見えている」「動くと胸が揺れる」「スカートの丈が短い」といった点を挙げ、「女性蔑視にあたる」「性的で不適切だ」との抗議が寄せられたことが理由だという。同キャラを管理する「Art Stone Entertainment」代表の板倉節子氏が11日、よろず~ニュースの取材に対応。全国フェミニスト議員連盟の抗議に対して反論した。

 板倉氏によると、「戸定梨香」は昨年春に誕生し、約1年半稼働してきたが、「性的であるという指摘を受けるのは初めて」だという。全国フェミニスト議員連盟からの抗議については「警察の皆さんと相談して作った作品ですし、アイドルのキャラクターとして、実際に放送されているアニメや、実在のアイドルさんの衣装を参考にしています。この見た目が性的で不適切なら、アニメやアイドルさんも不適切ということになるのでしょうか」と反論。「たった一声で削除してしまうというのは、どうなんだろうと思わざるを得ません」と語気を強めた。

 さらに板倉氏は「一番は、女性としての問題を訴えてくるのでしたら、私は女性ですし、女性として悔しい思いもたくさんしてきましたから、女性の地位を確立したいというは同じ。100か0かではなく、お互いに歩み寄れば解決方法はあったと思うのですが、そこをどうしてやってくれなかったのか。直接こちらに連絡をせず、警察に削除を求めるというやり方は疑問です」と続けた。

 今回の削除を受けて「戸定梨香は松戸市のご当地Vチューバーとして活動してきましたが、今後は松戸市と関わって何かしていくのが難しくなってしまう。そのためにみんなで頑張ってきたのに、今までの私たちの松戸に対する思いや、やってきたことを否定された気がして…」と板倉氏。「見た目をとらえて、本来の作品の意図に目を向けずに活動を抑制することは、それ自体が逆に女性蔑視ではないのでしょうか。本当に女性のことを考えての行動なのかという疑問はありますね」と忸怩(じくじ)たる思いを吐露した。

 板倉氏は、千葉県警側の対応には一定の理解を示しつつ「今後同じようなこともでてくる可能性がある」と、行きすぎた規制の動きを危惧。動画は公式YouTubeには残すとし、「声を上げないまま、毎回消されて終わりというのは良くない。賛同して下さる方もいらっしゃいますし、声を上げることが大事だと思います」と言い切った。

 千葉県警松戸署によると、新型コロナウイルスの影響で交通安全教室が実施できないことから、松戸市でご当地Vチューバ―として活動するキャラクター・戸定梨香と協力。セーラー服のような格好で自転車のライト点灯やヘルメット着用などを呼び掛ける動画を2本を作り、8月17日から公開していた。

 この動画に対し、全国フェミニスト議員連盟が「極端なミニスカートで、体を動かす度に胸が揺れる。女子中高生だと印象づけた上で性的対象物として描写し、強調している」と抗議。公共機関である警察が「女児を性的対象とするアニメキャラクターを採用することは絶対にあってはならない」と非難し、動画の削除や謝罪を求めた。同署は「意見を踏まえて効果的な交通安全の啓発策を講じたい」としている。

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