お笑いコンビ・雨上がり決死隊が17日、解散を発表した。蛍原徹は吉本興業との契約を継続し、2人はそれぞれ単独で芸能活動を続けていく。解散のきっかけとなった2019年の〝闇営業問題〟を取材した当時の担当記者が、解散に至る経緯と思いをつづった。
雨上がり決死隊が32年の歴史に幕を閉じるきっかけとなったのは、まぎれもなく2019年の、宮迫による〝闇営業〟報道。当時を取材した担当記者としては、「やっと決断したか」というのが正直な感想だ。
宮迫が吉本興業との契約を解除した段階では、雨上がり決死隊もコンビの継続を表明。蛍原は宮迫の話題について、表立って発言することはなかったが、宮迫と再び肩を並べてテレビに出演することを望んでおり、その点では宮迫と思いは一致していた。
関係者によると、2人の関係に明確に溝が生まれたのが、宮迫のユーチューバーデビューだった。バックアップを表明していた明石家さんまら先輩芸人や、2人をスターダムに乗せてくれたテレビ業界への〝裏切り〟にも見える行為に、蛍原はかなり強い態度で反対を示したという。だが、復帰を焦る宮迫に、その思いは届かなかった。2人の歩いて行く道は、その瞬間から明確に分かれてしまった。
宮迫の転身には、「アメトーーク!」のプロデューサーとして知られる加地倫三氏も猛反対したという。その分、宮迫はテレビでの活躍は難しくなったが、ユーチューバーとして一定の成功を収めた。蛍原も「アメトーーク!」での単独司会が好評を博すなど、ともに順調に仕事を進めている。
結果的に宮迫の選択は、「宮迫博之」として生き残る選択であり、「雨上がり決死隊」として復活するための選択ではなかった。それを鑑みれば、解散は〝必然の未来〟だったと言える。