テレビ朝日は7日、東京五輪終了後に同社社員が多人数で都内で宴会をし、うち1人が誤って店から転落した事案について、調査結果を発表。スタッフ10人のうち、同局社員の6人は謹慎10日間の処分とし、スポーツ局長及びスポーツセンター長には減給1カ月の処分を科したと発表した。
同局の発表によると、8月8日午後8時から、6人が参加して六本木の飲食店で宴席を開始。その後、転落負傷した社員を含む2人が加わり午後11時まで飲酒、飲食が行われた。同日午後11時30分に8人全員が渋谷のカラオケ店へ移動。その後2人が加わり10人に。6階個室で飲食とカラオケを行った。
9日午前3時30分に転落した社員が帰宅することとなり、個室を出た。他の社員2人が見送り、エレベーター方向に歩いて行くのを確認し部屋へ戻ったため、社員が転落した場面は見ていないという。
転落した社員は、緊急調査チームの聴き取りに対し「疲労がたまっていて、酔いが回ってきた意識があり、周りに迷惑をかけてはいけないと思い、皆より先に帰ろうとした」「他のお客さんと乗り合わせるのを避けようとエレベーターではなく非常階段を使った」「はっきりとは覚えていないが、外に出られないと思い込み、隣のビルの壁や看板をつたって降りようと考えたのだと思う」「何かをつかんだ後に落ちてしまい、その瞬間に激痛が走って、通行していた方に助けを求めた」と説明。怪我は左距骨骨折で、補助器具なしでの歩行までおよそ半年の診断。現在はリハビリを開始した段階だという。
同局は、新型コロナウイルス感染拡大直後から感染防止策を社内ルールとして明文化しており、その中でも「宴席は厳禁」と設定。スポーツ局でも局独自のガイドラインを作成し、社内ルールを徹底してきた他、局員全員が参加する月1回の局会でもガイドラインを「確認をしていた」とした。
だが、今回宴席に参加した10人についてはは、ルールは認識していたものの「少しならよいではないか」「今日ぐらいはいいのでは」という「甘えがあった」と説明。現在は「放送メディアの一員としての自覚に著しく欠如したものであることを猛省している」という。また、10人全員がPCR検査を行い、全員陰性だったことも明かした。