若いＯＬが、自室で首を吊って死んでいるのが発見された。現場についた加茂警部に、根木刑事が報告を始める。
「死んでいたのは、植木聖子・27歳。貿易商社に勤めるOLです。一見、自殺のようですが…」
「偽装した他殺かもしれない？」
「はい。日記が残ってまして、読むと恋人と金銭トラブルになってます」
「私も読んでみよう」警部は、死者の日記を読み始めた。
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3月10日
彼と恋愛関係になって２ヶ月になる。「時期が来るまで秘密にしておこう」と彼は言うけれど、私は早く公表したいな…。
3月23日
彼の父親が経営する会社が倒産の危機なのだそうだ。「あと100万あれば…」と苦しそうに言う彼がほっておけなくて、私は貯金をおろし、100万円を貸すことにした。
4月10日
面白いことに気がついた。私の名前は「サクセス＆ステーション」と書き換えられる。なんだか西洋風だわ（笑）。さらに、彼の名前も「アマチュア＆チューブ」になる。二人の名前がこうなるなんて、やっぱり、私と彼は、運命の糸で結ばれている。
4月15日
彼にさらに200万円を貸した。これで経営危機を脱してくれるといいけど…。
4月23日
彼と大げんかになった。私は騙されていたのかもしれない。お金が返ってこないようなら、彼を訴え、会社にこの事を報告しよう。
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日記を読み終えた警部に、根木刑事が補足する。「確かに彼女の口座から300万円が引き出されてます。そして、彼女の同僚で恋人の可能性がある人物が三名、浮かび上がりました」
◆徳田志郎
◆筒井武也
◆鮎川浩輔
そのリストを見た警部が言った。
「サクセス＆ステーション…西洋風か…彼女の恋人が誰かわかったよ」
さて、警部が推理する人物は？
