よろず~ミステリークイズ「雪の足跡」トリックを解け #12

白峰 良介 白峰 良介

 雪の朝。公園のベンチで男性の死体が発見された。犬と散歩をしていた老人が見つけたのだが、彼は死体に近づかなかった。死んでいるのが明らかで、自殺に見えたからだった。雪の積もった地面には、被害者の足跡がついているだけ。他の足跡はまったくなかったのだ。(図参照)

    ◇   ◇
 「寒いのは苦手だよ」いつものように不平を言いながら、加茂警部が現場にやってきた。
 「夏は、暑いのが苦手だと言ってますよね」
 根木刑事が茶々を入れる。だが彼は、すぐ真顔になって報告を開始した。
 「被害者の名前は、野中久治。45歳。シューズショップの経営者です。首にナイフでの切り傷があり出血多量で死んでます」
 「自殺らしいんだって?」
 「はい。凶器のナイフは死体の側にありましたし、足跡が被害者のものしかありませんでした」
 「雪の足跡か。公園のベンチで自殺するなんて奇妙だが…」
 「死亡推定時刻は、午後11時から午前1時の間です。ただ雪がやんだのが午前0時頃なので、死んだのはそれ以降だと思われます」
 報告を聞きながら、加茂警部は雪の足跡へ近づいていき、観察を始めた。
 「足跡の間隔がふぞろいだし、歩幅が小さいな。それに、なぜか右足の方が踵に体重がかかった足跡になっている…」
 「足跡は、被害者の靴底と同じ模様で、一致してますよ」
 「はいていた靴は、まだ真新しいな。まてよ…シューズショップの関係者に、被害者を殺した奴がいるかもしれないぞ」
 「他殺だと言うんですか!」
 その後の調べで、ショップの副店長がクビを言い渡され恨んでいたことが分かった。
 「たぶん、その副店長が犯人だな」。加茂警部が言った。

 「犯行は雪が降っている午前0時前。雪が止んだ後に、自殺に見えるよう、簡単なトリックで、あの足跡をつけたんだ」
 今回は、足跡のトリックを見破ってください。どんなトリックでしょう?

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