都市伝説やホラー好きの人々の間でよく話題にあがるのが「お化け屋敷には、幽霊が集まってくる」という噂。今回その真相を探るため、昨年日本のみならず世界中のメディアから注目を集めた「ドライブインお化け屋敷」などを運営・プロデュースした、株式会社怖がらせ隊で代表取締役を務める今井彩賀さんに話を聞いた。果たして、お化け屋敷には幽霊は集まってくるのだろうか。
日本全国で100件以上のお化け屋敷をプロデュース・運営した株式会社怖がらせ隊。「ドライブインお化け屋敷」のヒット以降、海外からのプロデュース依頼も増えてきているという。
◆「みんな知ってるけど、口外はしない」
恐怖を生み出すコツとして、ホラーアクターのトレーニングには余念がないという。動き方や声の出し方などを徹底して指導するとか。
―「お化け屋敷には幽霊が集まる」という都市伝説があるのですが、今出さんはどう思われますか?
今出さん:本当だと思いますね(あっさりと)。お客さまは“安全に恐怖を楽しみたい”って思っておられるので、本当に幽霊がいるってなると……。だから、みんな知っているけど、口外しないというか
―じゃあ、どのお化け屋敷にも集まってくると?
今出さん:いえ、全部じゃないですよ。「なんか、変だなー」って思って、施設の方に話を聞いたら「あぁ……。よく、言われるんです。実は……」っていうこともありますからね。
―今出さんご自身も何度も遭遇されているんですか?
今出さん:いちいち、数えてないんですけどね(笑)。よくある話で言いますとね、男の子が一人でやってきて驚かしても無表情。おかしいなと思って、スタッフに聞いたら「そんな男の子なんて入場してないよ」とか。あと、控室に戻ったら、「あっ。そこら中にお化けがいるな」みたいなこともありますね。
―それが、よくあるんですか?
今出さん:えぇ。私は怖がりなんで、いちいち怯えるんですけどね。
◆「逃げ込んだ女性」
今出さんは自身の恐怖体験などをまとめた漫画作品を描き、各メディアで発表している。リアルホラーでどの話も背筋が凍る!
―では、これまで体験された中で最も怖かったお話を教えてください。
今出さん:これは、私じゃなくて、プロデューサーの岩名(謙太)から聞いた話ですが……。お化け屋敷って、あまりにもパニックを起こしているお客さまは落ち着くまで、そっとしておくという暗黙の了解があるんですよ。
―ケガをさせないように?
今出さん:そうです。転倒されたりモノを壊してケガをされる可能性もありますから。あるとき、まさにパニックを起こしている女性のお客さまがいらっしゃって、ものすごいスピードでセットの浴室に逃げ込まれたそうなんです。岩名は遠くから様子を伺うと、浴室のドアをピタっと閉めて、背中で押さえつけていたので、「出てくるまで、しばらく待とう」って。
―浴室まで行って怖がらせないと。
今出さん:えぇ。それで、時間の間隔を空けて浴室をチラチラのぞいても、その女性はじーっとして、なかなか出てこない。さすがに、岩名も心配になって声を掛けようと思ったら、別のスタッフがやってきて「お客さまは全員、出られました」って。
―全員?
今出さん:岩名もおかしいと思って、慌てて浴室に走ってドアをあけると、そこには誰もいない……。「ちゃんと女性は出ていったの?」って確認したら、そのスタッフが「最後のお客さまは男性4人組で、女性は入場されていません」っていう。岩名は、確かに女性が浴室に逃げ込んで、中でじっとしていたっていうんですけどね。
今出さんはひとつ一つのエピソードを事細かく言葉にして取材に答えてくれた。最後に私が、「そのお話が創作じゃないっていう証拠はありますか?」と意地悪な質問をすると、「今、事務所に呪いの人形があって対応に困っているんですけど……今度、お持ちしましょうか?」と、恐ろしい一言で取材を締めくくってくれた。
★株式会社怖がらせ隊 公式ホームページ https://kowagarasetai.com
★株式会社怖がらせ隊 公式Twitter @kowagarasetai
★現在、運営・プロデュースするお化け屋敷
「祟り人形の観覧車」 https://www.sunshine-sakae.jp/event/eve_967.html