俳優・津田寛治が、CS放送「映画・チャンネルNECO」の主演ドラマ「ラーメン刑事」で、事件が起こらない日常の中でラーメンを探求する刑事を好演している。今年2月のスタートから半年間、2作がリピート放送されてきたが、8月と9月に各2作ずつ計4作の新作がオンエアされる。津田は、よろず~ニュースの取材に対し、撮影時のエピソードや見どころなどを語った。
ラーメンを年間500杯以上食べている元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏から着想を得た同作。津田は「事件が起きていない時の刑事の話をやってみたいと思っていたので楽しいです。刑事とラーメンを掛け合わせた相乗効果で、思ってもみなかったドラマが展開されています」と手応えをつかむ。
津田は「長年、刑事ドラマをやっていた僕も知らない『刑事あるある』が出てきます。『サウナで情報提供者と会う』という撮影では、サウナが止められず、カメラは曇り、生汗がとんでもなく出てきて、スタッフさんも服を着てフラフラだしで命がけの撮影でした。第3話では警察隠語がテーマで、『カラス』などの隠語で話し過ぎると何の話をしているのか分からなくなる面白さをストーリーに盛り込んでいます。また、ラーメン完食後に丼の底を見るのがラストシーンになりますが、スープを飲み干した後は(塩分の排出を促すカリウム含有の)バナナを食べるのがいいという話は僕も初めて聞きました」と振り返る。
8月に第3話「虎ノ門・くろおび編」(初回放送・28日午後11時)と第4話「湯島・麺覇王(メンバーワン)編」(同・29日午前0時)、9月には第5話「飯田橋・日高屋編」と第6話「湯河原・飯田商店編」 (共に26日)が登場。津田は各店舗を食レポした。
【くろおび】「利尻昆布だしが濃厚で、体に昆布のエキスが染み渡りました。また、カウンターが白木できれいなのが特徴。今回、お邪魔した店はどこも掃除が行き届いていて、清潔さと味のおいしさは無関係ではないなという気がしました」
【麺覇王】「マスターが台湾から来られた人で、ラーメンも漢方との相互作用で今まで味わったことないおいしさ。そして、びっくりしたのが翌日でした。いつも筋トレをやるんですが、それがいくらでもできちゃうんです。なんで、こんなにできるんだろうと思ったら、『あ、昨日、薬膳ラーメン食べたからだ!』って。マスターが『これ食べたら元気100倍だから』って何回もおっしゃられていて、こういうことなんだと。体も健康になっている感じで、即効性がありました」
【飯田商店】「有名店という噂に違わぬ、おいしい店でした。予約券が朝の10分くらいでなくなるんです。湯河原という土地で、住宅地の路地裏にある店に全国からファンが集まって来る。撮影では『麺がなくなったんで継ぎ足してください』と言いながら、わんこそば状態でどんどん食べて、息もしづらいくらい、お腹いっぱいになったのに、つゆがどんどん飲めちゃう。本当においしいおつゆでした」
【日高屋】「僕は中華のチェーン店が好きで、いつも日高屋さんで頼むのはオーソドックスなしょうゆ味の中華そばなんですけど、番組では野菜タンメンです。でも、基本のソウルは変わってないぞという感じで、がっつりと体を満たしてくれる味っていうんですかね。撮影の順番は飯田商店の後で、中2日あったんですけど、高級な伝説のラーメンを何杯もいただいて、翌日も翌々日もお腹が減らなかったので、ほぼ絶食して撮影に臨んだ。芝居でおいしく食べて見せることもできるけれど、視聴者には伝わらない。お腹をすかせて食べます。どれだけ本当のことを盛り込むかというのが大事だと思います」
ラーメンとは何か。津田は「カレーライスもそうですけど、海外から入ってきて、アレンジされて日本食になった食べ物の一つ。丼の中で全ての味がケンカせずに調和し、食べる人を満たしてくれるというのは、なかなか技術のいる料理だと思います。食材や味付けというより、作る人の人柄とかソウルがすごく重要になる食べ物なんだなと勉強になりました」と語る。
新作について、津田は「あっと驚くような俳優、女優さんがゲストで登場します。さらに濃厚に、ブラッシュアップしてクオリティーが上がっていますので、満足いただけるドラマになっていると思います」とアピール。ラーメン刑事がすっかり板についていた。