人生を彩る動物の存在をクローズアップ。少し風変わりな仕事に取り組む人々が、動物とともに営む暮らしを取り上げる。お笑いコンビ下町ミュンスター、ろぱ仔さん(32)が率直な思いを語った。
7歳と14歳、正反対な性格
私は母、そして2匹の猫と暮らしています。18歳の時、友人の家で生まれた雑種の子猫を引き取ったのが湯葉(14歳雄 5キロ)です。毛色の白さが名前の由来で、プライドが非常に高いです。気持ちが乗らない時に触られると怒り、来客があると隠れて出てきません。キジトラ模様でマンチカンのコジ(7歳雄 4キロ)は7年前、母が勤めていたペットショップで前の飼い主さんに引き取られたのですが、間もなく重い病気で入院し、飼い続けることが難しくなったということで、ウチにやってくることになりました。コジローと命名されていたので、そのままコジと呼ぶようになりました。性格は湯葉と真逆です。私が帰宅すると階段を駆け下りて甘えてきますし、人見知りせず驚くほど従順なので、お客さんには大人気です。
2匹は年齢が離れており、つかず離れずの関係なのですが、たくさんの発見がありました。湯葉は私と遊んでいる時にコジが近づいてくると、まるで遊び相手を譲るようにすっと距離を置きます。一方で機嫌が悪いとコジに八つ当たりし、体が大きいので一方的に打ち負かしてしまいます。お兄さんのように気を使うかと思えば、性悪の上司のように威張ります。コジは最近になって抵抗するようになったのですが、足の短いマンチカンなので、吉本新喜劇の池乃めだかさんのように前足をジタバタさせています。また、同じご飯をあげても隣の芝生は青く見えるのか、お互いのお皿に口を向けたりします。
そんな2匹の関係で、新しい発見がありました。昨年の2月、湯葉が重い尿路結石を患い、ケージに入れて世話をしていた頃のことです。コジがケージのそばに姿を見せて、離れようとしなくなりました。普段は八つ当たりされる湯葉を、あれほど心配するのかと驚きました。湯葉もコジが健診などで家を留守にする際は、不安そうにうろうろするようになりました。普段は相変わらずなのですが、実はお互いを大切に考えているのだと思います。
人と同じで猫もそれぞれ個性が豊かで、その関係性を観察することが楽しくて、飽きることは全然ありません。コジがやってきてからは母も同じ気持ちのようで、その日の発見を報告し合うなど、母娘のコミュニケーションが増えました。お笑いのネタ作りに詰まった際は、2匹を眺めていると嫌みが一切ない笑いを楽しむことができます。
湯葉は命の危険があった尿路結石からは回復しましたが、もう14歳です。最近はトイレに失敗するなど、老いを感じることが増え、8年前に亡くなった祖父の晩年を思い出すようになりました。母と一緒に支えていきたいと思っています。
下町ミュンスター 地上波OKな◯ネタを目指して
ろぱ仔は岩佐(33)との男女お笑いコンビ、下町ミュンスターを2016年に結成し、主に男女の人情の機微、生理的な諸事情を漫才やコントのネタに据えている。有り体にいえば下ネタで、2017年の事務所ライブで初採用したところ大ウケし、事務所の階級が3軍から1軍に昇格、現在に至る。「自分の好きな笑いって何だろうと思い詰めた時、子どもの頃に好きだった漫画が浮かびました。うんこやちんちんが私の原点でした」。『おぼっちゃまくん』『学級王ヤマザキ』『ジャングルの王者ターちゃん』の影響を受けつつ、下ネタだけど下品ではないというファンの評価に手応えを得ている。「下品だと思われない分、受け入れられやすいのかなと思います。まだまだ力不足ですけど、コンプライアンスが厳しい地上波でネタを見せたいですね」と思い描く。今年3月には公式YouTubeチャンネルを立ち上げた。登録者数は800人程度ながら、再生回数が4万を超える動画が出るなど、少しずつ自信は増している。