お菓子売り場の宝石「セボンスター」 40年以上ブレないキラキラとは

 カバヤ食品株式会社のアクセサリー玩具菓子「セボンスター」は、1979年の発売から40年以上が経過した今も、子どもから大人まで幅広い世代から人気を博している。同社のマーケティング戦略本部で玩具菓子事業を統括する清水隆秀氏と、セボンスターのマーケティングと商品開発を担当する辻本敦志氏が、長年愛され続けるセボンスターのポリシーを語った。

 インターネット上で何度も話題になるほど大人のファンも多い人気商品だが、デザインを決める上で〝大人向け〟を意識することはない。辻本氏は大人になってから再び興味を持ったファンを「大歓迎」とした上で、「あくまで子ども向けのペンダント玩具としてデザインを開発しています。大人向けにしようとするとあざとくなってしまう。大人のファンの方々も望んでいないのではないかなと」と分析。清水氏も「(昔からのデザインが)大きくブレていないところがセボンスターのいいところ」と続けた。

 重視するキーワードは「かわいさ」と「キラキラ感」。身につけることで「プリンセスな気分になれる」世界観も重要視している。「セボンスターって、大人になっても女の人が好きな要素が入っている。それが本物のダイヤモンドになるかどうかの違いはあるんですけど、女の人ってずっとアクセサリーが好きなんじゃないかと思っていて。そういう意味ではセボンスターって普遍的なものであると思うんです」と清水氏は語った。

 現在は1年間に3回、アクセサリーの内容が入れ替わる。テーマは辻本氏らが企画。具体的なデザインはパートナー企業のデザイナー陣が制作する。時代に合わせて、流行を取り入れることもある。清水氏はタピオカ入り飲料の流行時に、カップ入りドリンクをモチーフにした例を挙げ「お姉さんたちがタピオカミルクティーをかっこよく飲んでいるのを子どもたちが見て、いいなと思ったら憧れるじゃないですか」と説明した。

 リニューアルごとに変わる20形態85種の豊富な新作バリエーションも、子どもたちを喜ばせる戦略の一つ。「子どもがお母さんと買い物に行って『(セボンスターを)欲しい』とねだると、『持っているでしょ』と言われますよね、普通は。でも85種類もあったら『まだ持っていないもん!』と言える。買ってもらえるじゃないですか。あと、買った時にあまりかぶらない方がうれしいですよね。種類を多く作っているのはそういう理由なんです 」と清水氏。他にもペンダントの一覧表を用意し、子どもたちが「今度はこれ欲しいな」とまだ見ぬ〝宝石〟に思いをはせて「ニヤニヤできる」機会を充実させたり、2014年からは85種中1つだけ「特別な石」を使用した「ラッキー宝石」と呼ばれるペンダントのデザインを取り入れたりしている。なお、ラッキー宝石は引き当てるとよりラッキーな気持ちになれるアイテムだが「(封入の)比率を下げているわけではない」という。

 購入者の中には気に入ったシリーズを買い揃える人や、全種類を収集する熱心なファンもいる。辻本氏は「自分にとってかわいいと思ったモチーフを集めていただければ」と話し、「たくさん買えない方にも、何が当たってもうれしいデザインに仕上げているつもりです。当たったものがその子にとっての宝物というか、思い出のペンダントになればいいなと考えています」と願いを明かした。

【写真12枚】〝宝石〟が2個付いた豪華な姉妹品「プレミアムセボンスター」のラインアップ

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