だが、結果は4位。メダルを逃したことで星野さんはたたかれまくった。そんな星野さんと久々に会話を交わしたのは、同年12月11日に都内のホテルで行われた「山本浩二野球殿堂入りを祝う会」のときだった。私は取材ではなく、会に招待されていた。そして開会前にあいさつにいったのだが、星野さんが発した言葉は「今回のことで誰が味方で、誰が敵かよく分かった」だった。しかも2回、この言葉を繰り返した。壇上では、山本浩二さんを褒めたたえ「数十年間の仲間は裏切らない。ほかの人はすぐ裏切る」と冗談交じりであいさつした。だが、その前の言葉を聞いていた私には本音としか聞こえなかった。
日の丸を背負う重圧、そして結果で手のひら返しされ、さまざまな批判を浴びせられる風潮に、闘将が吐いた弱音だったかもしれない。