女子テニスの大坂なおみが27日、東京五輪・シングルス3回戦でチェコのマルケータ・ボンドロウソバに1―6、4―6でストレート負けした。試合後は、大会で義務付けられているミックスゾーンを通過せず会場外へ。その後、日本テニス協会の説得を受けて戻るという混乱ぶりだった。
同協会は、大坂のエージェントが負けてもミックスゾーンを通ることを知らなかったと説明。その後、ミックスゾーン戻った大坂は、報道陣に対応。ショックを隠せず、涙を見せながら「大会に出場したメリットはあった。プレーして良かった」と語った。
大坂はこの日、立ち上がりから精彩を欠き、第1、第3ゲームといきなり連続でブレークを許した。第1セットをあっさり1―6で落とすと、第2セットも流れを取り戻せないまま、なすすべなく屈した。
大坂は今年5月、世界四大大会の1つである全仏オープンに際し、自身のSNSで、アスリートのメンタルヘルスを重視する観点から、試合後の会見に応じないことを宣言。賛同の声も上がる中で、仏テニス連盟のジル・モレトン会長は「ひどい間違い」などと非難した。
その後、大坂は同大会を棄権し、さらにうつ病の症状があることも告白した。その後は公式戦に出場せず、今大会が復帰戦となっていた。また23日に行われた開会式では、聖火の最終ランナーを担当していた。
こうした流れから、日本テニス協会は25日にオンライン説明会を行い、土橋登志久強化本部長が大坂について「ミックスゾーンを通る義務は守らなければならない」「ルールに従って行動してほしい」と発言した。大坂は同日の1回戦で快勝した際は、規定通りミックスゾーンに姿を見せ、5月の会見拒否宣言以降、初めて取材に対応。聖火最終ランナーについて「とても驚いたけれど光栄でした。すごく誇りに思う。誰にでもできることじゃないので」と感謝し、「東京でプレーできることをうれしく思う」と上機嫌で語っていた。