ご当地アイドルが抱える〝ジレンマ〟とは 地域活性化への真剣な思い

福島 大輔 福島 大輔
KOBerrieS♪
KOBerrieS♪

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、壊滅的なダメージを受けているエンターテインメント業界。そんな中、地方で活躍する「ご当地アイドル」の活動も〝正念場〟を迎えている。

 神戸市のご当地アイドル「KOBerrieS♪」は、今年9月で結成9周年。現在は11期生まで加入し、地元での認知度も着実にアップしている。そんな彼女たちが抱える〝ジレンマ〟の1つが、「活動の場所をどこまで広げるか」ということだという。

 ご当地アイドルは「街おこし」を担う存在として、時には地元の行政や商店街などとタッグを組み、イベントを行う。それだけに、地元での活動が中心となるのは当然だ。だが、KOBerrieS♪が所属する事務所の社長は、よろず~ニュースの取材に「神戸を盛り上げるには、逆に他の場所で活動して神戸をPRして、県外の方に神戸に興味を持って、訪ねてもらわなけば難しいと思うんです。そのためには、地元だけで活動していてはいけない」と語った。

 KOBerrieS♪の地元・神戸は、1995年に阪神淡路大震災の被害を受けた。現メンバーは被災経験はないが、震災の〝語り部〟としての役割も担っていることもあり、東北や熊本などの震災被災地を積極的に訪問。活動の幅を広げてきた。その成果として、県外のファンも増加しているという。

 ただ一方で、地元でいつでも見られる存在であってほしいというファンの願いがあることも確か。とりわけ昨今はコロナ禍で、芸能人が地方で行うイベントも激減。それだけに、地元ファンにとっては貴重な〝癒やし〟の存在として、極力地元から離れてほしくないという思いもある意味当然だ。

 KOBerrieS♪のキャプテン・小形優莉は「神戸を盛り上げたいからこそ地元で活動したいんですけど、盛り上げたいからこそ全国に発信することも大切だと思うんです。やっぱり地元だけじゃ、地元の活気は取り戻せない。どうしよう…と思うことはあります」と心情を吐露。副キャプテンの花城沙弥は「地元で活動してると、近所のおじさんおばさんも『応援してるよ』と声をかけてくれたりするので、それはすごくうれしい」としついつ、「もっともっと全国に神戸を知ってもらって、足を運んでもらえたら、地元の方たちも喜んでくれると思うんです」と思いを口にした。

 KOBerrieS♪の将来的な目標は、ご当地アイドルのネットワークを作成し、つながりを深めることだという。東京に一極集中しているエンターテインメントの現状に風穴を開けつつ、地方の活性化もさらに進めていく狙いだ。小形は「全国的なアイドルは、例えば地方のお祭りとかにまでは来てくれないじゃないですか。〝ド地元〟を盛り上げられるのはご当地アイドルだけだと思う」と語り、花城も「小さい子とかに姿を見せて、キラキラした存在として憧れを持ってもらえたらうれしい。『友だち』と『アイドル』という両方のポジションでいられるのが、ご当地アイドルだと思います」と言葉に力を込めた。

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