「ある日、社長がつぶやいた。『ゴーフル缶でドラムセット作ったら、かっこええと思うんですよね。どないですか?』―工場の技術班が、本気を見せた」。
神戸名物・神戸風月堂「ゴーフル」の缶で精巧なドラムセットを作った同社のツイートが話題を呼んでいる。同社の広報担当に制作秘話を聞いた。
「ゴーフル缶」は、関西では「一家に1個ある」とも言われるほど人々の生活になじみ深い存在。今回制作されたドラムセットは、同社の名物商品「ゴーフル」の実物サイズのふたをバスドラムの前面に、セット前方にあるタムには「ミニゴーフル」の側面と同じ模様がデザインされている。バスドラムに用いられたゴーフル缶のふたの直径は約17センチメートルで、演奏向けの音は鳴らないというが、ミニチュアサイズのドラムセットとして兵庫県神戸市にある元町本店で展示されている。
同社社長・下村明久氏の「ゴーフル缶でドラムを作ったらかっこいい」とのアイデアから、同社の工場設備を管理する技術スタッフと、ゴーフル缶の製造元・大阪製缶がタッグを組み、細部までゴーフル缶らしさ満載のドラムセットが制作された。タムやスネアドラムには既存の商品にはない特注サイズの缶を使用し、シンバルの裏面にはゴーフル模様があしらわれている。制作期間は約4カ月。同技術スタッフがスマホの三脚などの既製品も活用しながら「ほとんど1人」で組み立てたものだという。
1日夜に同社の公式ツイッターアカウント(@kobefugetsudo)が、ゴーフル缶ドラムセットの写真を投稿したところ、2・6万件以上のいいねを獲得、1・1万件以上リツイートされた(2日19時時点)。人気バンド「凛として時雨」のドラマー・ピエール中野も「すごい!かっこいい!」と引用リツイートしており、広報担当は「びっくりしました」と笑顔を見せていた。2日にはツイートを見て、実際に来店した人もいたといい、「喜ばしく思っております」と語った。元町本店での展示期限は未定だが、「夏休み(の時期)は飾る予定」だという。
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