クエンティン・タランティーノ(58)は、自身が有名になって初めて疎遠の父親から連絡をもらったそうだ。監督第1作「レザボア・ドッグス」が1992年に公開されたタランティーノが、それまで会ったこともなかった実の父親トニー・タランティーノから連絡を受けた時の苦い経験を振り返った。
マーク・マロンのポッドキャスト番組「WTF」に出演したタランティーノはこう話す。「彼は僕を見つけるのに30年もあったのに、そうしなかった。でも僕が有名になった途端、どこからともなく出てきやがった」「酷いものだったよ。嫌だったね。彼は僕に連絡を取ろうとしてきたけど、僕は興味なかったね」
また、聞こえがカッコイイと思って不在の父親の名字でデビューしたものの、それを後悔しているとして「彼とは全く関係ないんだ。家族とは全く関係ない。もう一度やり直すとしたら、タランティーノの名前は使わない」「もう一度最初からやり直すなら、僕のミドルネームを名字に使う。クエンティン・ジェロームってね」と続ける。
その父親とは一度会ったきりだそうで、その時も手を振って追い払ったそうだ。「ある時カフェで何かを注文していた時、突然彼がそこにいたんだ」「『私です』って言われたから見上げたら、それが誰なのか確実に分かったよ。で、『この日がいつか来るだろうって思ってた』って言ったら、『そうだね。その日が今日』って彼は言った」「彼は『座っていいかな?』って言ってきたけど、僕はテーブルを見つめたまま、手を振って追い払う仕草をしたんだ。そして彼を見て、『あーあ』ってね。そしてテーブルの上の僕の皿を見ながら手を振った」「『もう行ってくれ』ってね。そして彼はそこから去った。それだけだ。彼は生きていると思う。彼は死んだ時、何か書いてもらえるだけのことをしたんじゃないかな」