『映画大好きポンポさん』舞台挨拶で上映時間90分の〝秘密〟を披露

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部

 注目を集める劇場アニメ『映画大好きポンポさん』の舞台挨拶が26日、都内で行われ、主役のジーンを演じた清水尋也と、物語のキーマンとなるポンポさん役の小原好美、平尾隆之監督が登壇し、制作秘話などが披露された。

 映画を愛する青年と映画に愛された女性が映画制作を通して"自分"を見つけ出す、映画愛に満ちあふれた物語。6月4日の公開からじわじわと評判を呼び、興収1億円を突破、カナダのファンタジア国際映画祭長編アニメーション部門へのノミネートも決定した。平尾監督は「公開館数がじわじわと増えている。皆さんの応援のおかげ」と感謝した。

 演じた役柄について、清水は「最初のビジュアルを見ると、主人公感がない。いざ映画が完成してみると、最後の方はかっこよくてしかたなかった」とジーンの成長に惚れ惚れ。小原が「清水くんが演じたから、よりジーンくんはかっこよくなった」と絶賛すると、清水は「そんなにほめてくれるんですか?」と照れ笑いを見せ、会場からも大きな拍手が上がった。清水は「みんなグルですね!」と再び照れまくり、観客の笑いを誘っていた。

 

 それぞれがオーディションで役を手にしたが、清水は「ずっとアニメが好きで。声の仕事をやらせていただきたいと、密かに思いを寄せていた。念願がかなったという気持ちで、本当にうれしかったです。不安はありましたし、収録中も苦労はしましたが、常に“楽しい”という感情がありました。前向きな気持ちで、100パーセント臨ませていただきました」と喜びを口にした。

 

 「ポンポさんの役どころは、すごく難しかった。アニメっぽくもあり、ナチュラルっぽくもある、不思議なキャラクター」と明かした小原は、「清水くん、ナタリー役の大谷凜香ちゃん含め、一緒に収録をしていったときに、3人で掛け合いをするからこそ生まれてくるものや、想像していなかった音のようなものがありました。2人からいい影響を受けて、収録ができた」と清水と大谷から刺激を受けたという。声優初挑戦となった清水は、収録中も小原から大いに励まされたそうで「その励ましのおかげで乗り切ることができた」と感謝するなど、お互いに良好な関係を築きながらアフレコを完走した。

 リピート鑑賞だけでなく、副音声コメンタリー上映も鑑賞済みという観客も多かったこの日。平尾監督は、本作の大きな魅力となっている“上映時間90分”という分数について、とっておきの裏話を披露した。平尾監督は「90分のカウントをするスタートは、どこからかわかりますか?」と会場に語りかけ、「映画の冒頭で、右上に黒丸がポッと出てくるカットがあります。あれが90分のカウントの始まりです」とにっこり。清水は「それ、副音声で言いました!?何回か、監督のこの手口に驚かされている。怖い!」と、さらりと大きな秘密を明かす平尾監督を見て目を丸くした。小原も「鳥肌が立った!」と声を上げ、これには会場も大笑い。平尾監督は「もしもう一回観ることがあれば、冒頭は右上にも注目してください」と話していた。

 

  最後には「先日この映画館の極上音響上映に来て、一人で映画を鑑賞した。満席でした」と切り出した小原。「本当に、ジェットコースターのような90分。どこで一時停止したとしても絵もきれいだし、先の展開への伏線があったりして、何度観ても楽しんでいただける作品。私は、ナタリーに自分を重ね合わせていた。私も役者を始める前は、事務所探しや、履歴書を送るところから、スタートしていて。ナタリーが“オーディション30連敗”と言っているのも、すごくわかる。いろいろな人がきっと、どこか戦いながら日々を頑張って生きていると思うので、『ナタリーは、自分と同じ境遇だな』と共感しながら観ることもできると思います」と頑張っている人への応援歌のようだとコメント。本作を上映していない地域の方から「映画館で観たい」と手紙をもらったそうで、小原は「そういう方の夢もかなえてあげたい。それがかなったあかつきには、いろいろな地域にすっ飛んで行きたい!」とさらに拡大上映されてほしいと願っていた。

 清水は「僕自身、ずっと憧れだった声優業への挑戦。それを、こんなにすばらしい作品で迎えることができて、僕にとってすごく思い出になった作品が、本当にたくさんの方に愛して、応援していただけた。さらに追加で舞台挨拶をさせていただくこともできたなんて、幸せなことしかない」と感慨深げ。「夢をかなえる人へのメッセージなど、いろいろなメッセージが込められています。“人生って厳しいこともあるけれど、やっぱりすばらしいものだよね”というキラキラした瞬間が、90分の中にぎっしりと散りばめられている。少しでも皆さまの心に届いたメッセージがありましたら、何度も劇場に足を運んでいただきたいです。40回くらい観ていただいても、全然怒りません!」と茶目っ気たっぷりに語り、大盛況の舞台挨拶を締めくくった。

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