PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)が実写版「リトル・マーメイド」の撮影にあたり、製作のディズニーに公開書簡を送った。アリエル役のハル・ベイリー始め、同作のキャスト及びクルーに対し、撮影中は魚を避けてヴィーガンフードのみを提供するよう同社に要請したかたちだ。
同団体の上級副社長リサ・ラング氏は「海洋の友人らを食べるその考えにアリエルは恐怖に陥ることでしょう。1989年の(アニメ)映画ではカニのセバスチャンが冷酷なシェフから逃げるシーンもありました。PETAからディズニーへのメッセージはシンプルです。『魚は我々の友達です。オードブルではありません』」と話す。
また今回の書簡では主演の21歳になるハルやトリトン王役のハビエル・バルデムの食生活にも言及。「ヴィーガンになることは動物と我々の地球を守る最も簡単で効果的な方法です。キャストに聞いてください。ハル・ベイリーはヴィーガンで、ハビエル・バルデムは海洋生物の熱心な保護活動をしています」と綴られている。
そして同作が海洋保護のプロジェクトに若者らが携わるきっかけになって欲しいとして「漁は海洋生物の命を奪い、惨めで不運な魂にしてしまいます。毎分最高500万匹の魚が捕獲され殺されています。他の産業よりも格段に多い数です。そして漁船から70万トン以上もの設備が毎年海の中に捨てられています。犠牲者は魚だけではありません。数えきれないほどのカメ、イルカ、クジラ、アザラシ、トリが仕掛けられ罠で溺れ切断され、混獲されています。現在のペースで人間がそれを続けると、私たちの世代で魚のいない海となります。あなたの映画は我々に変化をもたらすことができるのです」と書簡が続く。
実写版ではセバスチャンのシーンを変更するよう書簡では提案。「健康的で、プラントベース、私たちの味覚を騙してくれる海洋生物の代わりがあります。味をもしくは命を犠牲にする必要はないのです。セバスチャンはアリエルに『海の中では自由だ』と教えます。実写版『リトル・マーメイド』はヴィーガン食を提供することで、彼や全ての動物に誇りを持たせる完璧な機会です」とした。