「うっせぇわ」などボカロ系楽曲が社会現象に 話題のボカロP・Chinozoが語るボカロの今

KOJIMA KOJIMA

近年、YOASOBI『夜に駆ける』Ado『うっせぇわ』などボカロ出身アーティストが関わる楽曲が大きな注目を集めている。ボカロとは元々、VOCALOIDなど人口音声を用いて打込みで作られる音楽ジャンル。2007年頃からニコニコ動画を中心に流行し、現代では日本にとどまらず世界の音楽シーンにも大きな影響を与えている。

比較的新しい音楽ジャンルであるボカロがこれほど人気を集める理由はどのようなものなのだろうか。2018年にボカロP(ボカロ・プロデューサー)としてデビューし、2020年発表の『グッバイ宣言』がMV再生回数約5,500万回(2021年6月現在)を記録するなど脚光を浴びるChinozoさんにお話を聞いた。

KOJIMA:近年ボカロ曲がさらに勢いをましてブームになっていますよね。『夜に駆ける』『うっせぇわ』、そしてご自身の『グッバイ宣言』ヒットへのご感想をお聞かせ頂けますか。

Chinozo:2曲ともリリースされた日に聴いたんですが、「めっちゃ好き!!」と感じました。そこから実際、社会現象にまでなったので、関係者でもないのにすごく嬉しいです(笑)。『グッバイ宣言』のヒットは、これをキッカケに、普段ボカロを聴かないような方々にも注目頂いたのでとても嬉しいのと同時に、これからも頑張っていこうとより一層思いましたね。

KOJIMA:いずれの曲もボカロという垣根を越えて、広い層の方たちに注目されましたね。『グッバイ宣言』を制作時のエピソードや工夫した点、苦労した点などをお聞かせください。

Chinozo:歌詞を見てわかる通り、コロナが蔓延し暗い情勢になりつつあったので、明るいハジけた音楽を作りたいと思ったのがキッカケでした。最初は簡単なショート楽曲にしようと思っていたのですが、気づいたらノリノリでフル尺を作ってしまいましたね。そこまで苦労したことはなく、歌詞も僕が感じることをそのまま乗せたので、スッと完成させることができました。

KOJIMA:ボカロ曲について、「初音ミクのボカロ」から「ボカロP+歌い手(歌ってみた投稿)」という変化がブームのきっかけと感じているのですが、ボカロ業界の流れにあわせて曲作りの変化や、意識が変わった事などありましたらお聞かせ頂ければと思います。

Chinozo:僕はむしろそこはあまり考えずに作っています。やっぱりボカロが好きなので、ボカロで楽曲を投稿するのであればボカロだからこそできることをしたいなと思っています。早口やメロの跳躍等が代表的ですね。男性キー、女性キー等も考えずに作っているので、カバーされる方は結構大変だと思っています。みなさんすごいです。

ただ楽曲が歌ってみた等で派生していくことがブームを作っていくことは間違いないので、オフボーカル音源は必ず置くように心がけています(笑)

KOJIMA:なるほど!楽曲へのこだわりや地道なアプローチ作戦がより人気を高める事に繋がっているのですね。 Chinozoさんはご自身も歌い手としても活動されていますが、人気を得る為に必要な事は何だと思いますか?

Chinozo:一つはオリジナル曲を作れるようになることだと思います。歌い手さんになろうと思う人が多くなり、悪く言うと飽和状態になりつつあるのかなと思っています。歌だけで異彩を放つのは一部を除きかなり難しくなってきているんじゃないかなと。

もう一つは、プラットフォームを有効活用することです。SNSが発展し、従来以上に自分の売り方の工夫一つで可能性を見いだせるようになったのも近年の流れかなと思います。なので、歌い手という枠を超えて、工夫しながら活動することがより重要になるかなと思っています。

KOJIMA:ボカロPや歌い手を目指している方へ、アドバイスを頂ければと思います。

Chinozo:これからよりネットシーンの活動者の人数は増えていくので、ここで目立てるとかなり注目されるキッカケになるのではと思います。応援しています!!

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Chinozoさんプロフィール
関西出身の男性ボカロP 。15才から音楽(ギター)を始め、大学ではバンド活動を行い、社会人になりDTMを始める 。 2018年よりボカロPとしての活動を開始し、2019年3月よりYouTube投稿をはじめる。 電子的な雰囲気が強い楽曲から、バンドサウンドが印象的な楽曲まで、 クロスオーバーな楽曲を多数作成し、楽曲「グッバイ宣言」で大ブレイク中。

Youtubeアカウント:https://www.youtube.com/channel/UCft5HulDeuKloukyShxyOZA/featured

Twitterアカウント:https://twitter.com/chinozo_

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Chinozoさんはじめ自分の音楽性と信念を貫くアーティストが多くいるからこそ、ボカロというシーンは多くの人に愛される楽曲を作り出す事ができているるのだと感じた。

なおChinozoさんは今年8月頃にボカロの新曲を公開予定だという。今後のさらなる活躍を期待したい。

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