孤高のシンガーソングライター尾崎豊のノンフィクション『評伝1985年の尾崎豊』が4日、徳間書店から発売された。著書の石田伸也は自ら生前のライブ現場を数多く体験。1992年4月に26歳で夭折した尾崎の友人、スタッフ、音楽仲間、実父を取材し、全て実名での証言をもとにカリスマの実像を描いた。
世の中が狂乱のバブル経済に向かっていた85年、時代に逆行するかのような孤高のロックシンガーが圧倒的な支持を得た。その唯一無二のカリスマ性から、今なお多くの人々に語り継がれる尾崎豊は83年12月1日、「シングル「15の夜」とアルバム「十七歳の地図」でデビュー。92年4月25日に僅か26歳で壮絶な死を遂げるまで、「ILOVEYOU」「15の夜」「卒業」「シェリー」「僕が僕であるために」「OHMYLITTLEGIRL」のスタンダード曲を残し、生前を知らない現代の若者たちにも根強く支持されている。それだけに、デビューから夭折まで約7年間のエピソードは枚挙にいとまがない一方、孤高のカリスマ故に神秘のベールに包まれた部分も多い。
『評伝1985年の尾崎豊』では、没後30年目を迎える21年春、実父や同志だった中村あゆみ、ダイアモンド✡ユカイなど、尾崎をよく知る者たちの証言の数々に、84年のステージ上の骨折により表舞台から離れ、復活とともに急激に社会現象となった「1985年」を軸に、なぜ尾崎が求められたのか、時代の象徴となったのかを、混迷の社会背景を、自らも尾崎のライブ現場を数多く体感した著者が丹念に紐解くノンフィクション作品となっている。
著者の石田伸也は「尾崎豊が生きていた26年よりも没後29年という歳月のほうが長くなりましたが、今なお、たびたびテレビ特集が組まれるほど世代を超えて『青春のBGM』に君臨する。そんな尾崎が最も輝いていた『1985年』を中心に、どんな『知られざるドラマ』があったのかを解き明かしています。尾崎と関わったことにより、人生に少なからず影響があったミュージシャン、プレイヤー、タレント、さらに著者自身の証言をもとに構築するアナザーサイドストーリー。読めば、尾崎豊の歌が聴こえてくる!」と談話を寄せた。
徳間書店から発売。定価1430円。詳細はHPより。https://www.tokuma.jp/book/b581913.html
※本書に登場する証言者たち ダイアモンド✡ユカイ、中村あゆみ、白井貴子、甲斐よしひろ、坂上忍、大沢樹生、川上麻衣子、キラー・カーン、編曲家・樫原伸彦、実父・尾崎健一、江口正祥(バックバンド「HeartOfKlaxon」リードギター)、プロモーター・中西健夫(現・ディスクガレージ取締役会長)ほか