15年前のしろくまのぬいぐるみを洗濯する動画が160万回以上再生され、注目を集めている。YouTubeチャンネル「こいつたちがいる!」で動画を公開する30代男性のりょっぴさんは「こいつたちがいるから今の自分があるのかな」と、ぬいぐるみへの思いを語った。
りょっぴさんは幼い頃からぬいぐるみと一緒の生活が当たり前だったと振り返る。生まれてすぐに出会ったパンダのぬいぐるみ「ぱんちゃん」は30代になった今でも「ずっと一緒」にいる存在。小学校に通い出して以降も、家に帰るとぬいぐるみたちとコミュニケーションを取り続け、「母も父も普通に(ぬいぐるみへ)喋りかけてくれた」という。「当たり前に家族の中にいて、弟のようにぱんちゃんを扱っていた」と語った。
話題の動画「【洗濯】15年前のしろくまちゃんを洗う【ぬいぐるみ】」は昨年8月に公開された。実家の売却が決まり、片付けをしていた際に、複数のぬいぐるみが発見された。出てきたのは「しろくまちゃん」や「しろねこちゃん」など、高校生の頃までに見つからなくなっていた〝古参〟メンバー。すっかり黒ずんでいたが「また抱きしめたり連れて歩けるように」と洗濯を始めた。
洗濯では「表情をなるべく見るようにしている」と心がける。「表情を見るとその子の言っていることが伝わる気がするので、なるべく表情を映すようにしようとか、僕の思ったことが見ている方にも伝わるようにカメラに気をつけながら洗っています」と工夫する。動画には顔を上に向けたり頭をなでたりと、本物の生き物に接するような手つきで手洗いする様子が映っている。「しっかり洗ってはいるんですけどなるべく苦しまないように(笑)。マッサージしてあげるような感じで洗っています」と気遣いを語った。
洗われる前のぬいぐるみたちには「こわいよ」「入りたくないよ」、お湯に入ると「あったかいよ」などとテロップが表示される場面がある。りょっぴさんは「何も考えてなくて、見ながらこういうことを言っているみたいな感じで書いているだけなんです。脚本を考えたりは全くしていなくて」と明かした。
最近は古いぬいぐるみをまとめて買い取り、洗濯できれいな姿によみがえらせる動画も公開している。「フリーマーケットアプリとかオークションサイトで買う、引き取るのは、誰かの要らなくなった子たちを引き取っているような感じです。それぞれ思い入れはあるのでしょうけど、(ぬいぐるみたちは)すごく寂しそうにしていますね。やっぱり構ってもらいたくてこの世に作られたというか、生まれてきたわけですから」。「再び幸せに過ごしてほしい」との思いから、現在は約100個のぬいぐるみが家にあるという。
ぬいぐるみは「当たり前にそこにいる」存在。仕事の休憩時間に癒やされることもある。「リュックサックに(入れて)いつも連れていっていて。自分はコミュニケーションが得意じゃない部分が少しあるんですね。うまくいかなかったりとか、落ち込んだりすることが結構多いので、そういう時に公園のベンチに座ってぬいぐるみを膝の上に乗せてなでたりとか、目をじっと見て癒やされてる感じですね」。りょっぴさんは「ぱんちゃん」たちを前に「こいつたちがいるから、社会人やっていけているなという感じがします」と語った。