2021.04.27(Tue)

佐賀県庁からの“リベンジ”！「ゾンビランドサガ」2期でも“佐賀愛”は顕在

　少女たちがゾンビとして蘇り、アイドルとして佐賀県を救う物語「新感覚ゾンビアイドル系アニメ」ー2018年10月より1期が放送された「ゾンビランドサガ」。東京ＭＸ、ＡＴ-Ｘなどで今年4月から第2期の放送がスタートし毎話放送の度にトレンド入りするなど、1期同様盛り上がりを見せている。このアニメは佐賀県の全面協力のもと製作され、「存在自体が風前の灯火」などの面白い自虐ネタをまじえながら佐賀県への愛が感じ取れる内容となっている。2期がいよいよ始まり佐賀県ではどのような盛り上がりを見せているのか。佐賀県広報広聴課の近野顕次さんに話を聞いた。

　「4月8日から放送・配信が始まりましたが、その週末にはアニメに登場した場所を訪れる人がいたり、登場した県産品を買い求める人もいる」と早速効果が出ているようだ。また、「ゾンビランドサガ　リベンジ」放送後に始まった出演声優がパーソナリティを務めるFM佐賀の番組は、radikoにおける過去のFM佐賀のローカル番組の中ではダントツ一位の接続数を記録したという。

制作委員会と二人三脚

　制作において1期と2期において何か変わった点はあるのだろうか。「特にスタンスは変わっておりません。製作委員会からの依頼にしっかり応えていくことを大事にしています。我々の方からここを出して欲しいなどの依頼はしていません。製作委員会にとって有意義な取材ができれば、それが作品のクオリティーにつながる」と1期から続く製作委員会との熱い信頼関係をのぞかせた。

　その上で、佐賀県側からも企画を提案することもあるという。毎年夏に開催していた佐賀県のスタンプラリーキャンペーンと「ゾンビランドサガ」のコラボや、YouTubeにて公開中の出演声優が佐賀を訪れ魅力を伝える「ぶらりゾンビランドサガ！」などの企画で佐賀県のシティープロモーションに大きな役割を果たしている。中でもスタンプラリーは「コラボした年は前年度比で2.6倍も応募があった」と当時の反響を振り返った。

また、「ぶらりゾンビランドサガ！」は現状のコロナ禍において「佐賀県に来れなくても疑似体験ができるように」という目的でつくったという。YouTubeのコメント欄でも「ぜひシリーズ化してほしい～！コロナ落ち着いたら、紹介されたとこ全部周りに佐賀に遊びに行きたいです！」と好意的なコメントが多く見られた。以上のように佐賀県と「ゾンビランドサガ」製作委員会は、いわば二人三脚の関係で佐賀県の盛り上がりに貢献しているようだ。

「佐賀愛」佐賀県民の多くの人に見て欲しい

　取材を通して近野さんが最も強調していたのは「佐賀愛」だ。「制作者の皆様が何度も何度も佐賀県に来て、丁寧な取材を重ねており、よりいい作品を作ろうという気持ちを感じます。まさに劇中の巽幸太郎（謎のアイドルプロデューサー）の『佐賀を救うんじゃ～い』という想いを彷彿します」と作中のキャラクターを引き合いに制作者の愛の強さを表した。

　このような制作者の気持ちに対して、住んでいる佐賀県民がアニメを見ることで応じていきたいという。「きっと、住んでいる人にとっては何気ない風景でも、アニメというフィルターを通してみると佐賀県の素晴らしさに改めて気づくことができる。子供たちが今後、佐賀県を離れることが来た時には、ＴＶアニメ「ゾンビランドサガ」の聖地の佐賀県出身です！と佐賀県出身であることを誇りに思ってもらえるきっかけになってほしいと思っています」。と“シビックプライド“の向上を願った。

佐賀県庁からのリベンジ

　読者へのPRを問うと「よく佐賀県は『何もない』『魅力がない』『印象が薄い』などと散々いわれてきましたが、『ゾンビランドサガ　リベンジ』がその印象を覆してくれます。それが、今までそう思ってきた人たちへの佐賀県庁からのリベンジです笑」と冗談っぽく2期のタイトルと絡め答えた。現在放送中の本作品。この先の展開ではどのような“佐賀愛“を見ることができるだろうか。