長州力が語った ドラマ「俺の家の話」を支えた長瀬智也のプロ根性、リングで膝負傷も完走

北村 泰介 北村 泰介

 長瀬智也主演、宮藤官九郎脚本のTBS系ドラマ「俺の家の話」は3月26日放送の最終回がまさかの展開となり、終了後もその余韻に浸る人たちのSNS投稿などで様々な思いが交錯した。同作の中でも異彩を放ったのが本人役で出演した元プロレスラー・長州力。最終回でも重要な場面を任され、演じきった長州が当サイトの取材に対し、その舞台裏を語った。

 --ドラマを振り返られて印象に残ったことは。

 「忘れた!」

 --まだ、冷静に振り返られないというところですかね。

 「いや、僕たちとは別の場所で、俳優さんたちがパズルを組み合わせるみたいにやってるんです。長瀬君や西田(敏行)さんも全然別のところで、朝早くから撮っている。僕は(ドラマ内の所属団体)『さんたまプロレス』の部分だけで、ドラマの全体を見てないんですよ。敬司(武藤)と蝶野(正洋)と一緒に出た回は見たんだけど、それ以外はまだ見てない。今後、全部まとまったヤツ(DVD)が出るというから、うちのスタッフに用意してもらって見ます」

 --セリフ覚えが大変なのでツイッターを一時休止されたとのこと。ずっと台本とにらめっこでしたか?

 「そうです。一生懸命、家でセリフ覚えてね。最後になると、えっ、結末、こうなっちゃうの?と。だから、まだ自分も全体がよく分からない」

 --最終回で長瀬さんに向かってリングで発した「またぐなよ」というセリフは大仁田厚さんとの絡みから生まれたフレーズですが、アドリブはあったのですか。

 「アドリブは一つもない。でも、最後にいい場面に出させていただいた。まだ見てないから、これから見るのが楽しみです」

 --最終回では長瀬さん演じる寿一の葬儀での長州さんの長ゼリフがさく裂しました。「パワーホールって知ってるか?あれさ、何かに似てるんだよな。こないだ、俺、中央線に乗ったらさ、阿佐ヶ谷、次は荻窪ってアナウンスが流れてさ。似てるんだよ」と。

 「セリフ覚えるだけでも大変で。それに『阿佐ヶ谷、次は荻窪』っていうのを、(自身の入場曲)パワーホールのリズムにどうやって乗せて歌うのか、どういういう歌い出しをするのかと思ってたら、コタツさん(三宅弘城)が『アーサーガヤー、次はオギクボ♪』って歌ったんです。その部分はコタツさんとは合わせを1回もやってなくて、ぶっつけみたいなもんでした」

 --長州さんのドラマ出演といえば、同じTBS系の「セーラー服通り」以来、35年ぶりでした。

 「あれはただ立ってただけですから。『おはようございます』『おはよう』って繰り返しだけ。大昔の話ですよ」

 --前回は2回分のゲスト出演。今回のようなレギュラー出演は初めてで事実上の俳優デビューだと思います。

 「セリフを言いながら演じるというのはしんどかったですね。僕の場合、素人を使ってるわけだから、結構、自由にということだったんでしょうけど、本番に入る前に、一回、セリフ合わせをやるんですが、自分が失敗したらと思うと頭が真っ白になって、セリフが出てこないこともあって。結構、迷惑をかけたけど、みんな笑って『大丈夫ですよ』と言ってくれて、助けられましたね」

 --長瀬さんの印象は。

 「素晴らしい方ですね。ジャニーズの人たちとたまにテレビで仕事することがあるんだけど、若い人も、今の長瀬君の年代の人も、すごく親しみやすく、礼儀がすごくいいですね。ほんと、体育会系というか、ジャニーズってどういう教育をしてんのかなというくらい、すごいなあと思って。やっばり教育がすごいんでしょうね。長瀬君もすごい努力して、体も作りあげてましたもんね」

 --記憶に残った長瀬さんのエピソードはありますか。

 「長瀬君、リングの中で膝を打って、本番でない時は足をひきずってテーピンクしてたんですね。そういう最後までやり遂げようというプロ根性はすごかったですね」

 --長瀬さんは表舞台から去ると報じられていますが、ご自身の体験も踏まえて「いつでも戻ってきていいんだよ」などとアドバイスされましたか。

 「僕も2回…いや、それがいいわけではないけど、自分たちの仕事で、誰がやったらいいのかという興行的なことを考えたらね。ただ、長瀬さんのこれからのことについては、僕がどうのこうのと言える立場でもないし、分からないですね」

 --同年代の名優・西田敏行さんの印象は?

 「西田さんは常にほがらかな人で。気を静めさせてくれるような声掛けをしていただいてね。でも、いくら話しかけられても、僕は常に『(セリフを)間違っちゃいけない』っていうことしか頭になかったから(笑)」

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