ナイキがリル・ナズ・Xとコラボスニーカーを制作したブルックリンのクリエイティブ集団MSCHF(ミスチーフ)を提訴した。MSCHFは同ブランドのエア・マックス‘97をカスタマイズした「人間の血液入り」スニーカーを発売、不吉な数字に合わせ666足限定で価格は1018ドル(約11万2000円)となっていた。
リル・ナズが新曲「モンテロ(コール・バイ・ユア・ネーム)」のMVで着用したことでも話題の同アイテムだが、今回ナイキはロゴを無断で使用されたとして商標法違反を主張、販売停止を求めたかたちだ。
赤と黒が鮮烈な同アイテムは逆十字やペンタゴン、更に新約聖書のルカの福音書からの一節「わたしは、サタンが稲妻のように天から落ちるのを見ていた」を表す、「Luke10:18」がつま先に刻印されるなど悪魔的な雰囲気満載の商品となっている。
ナイキからの裁判文書にはこう記されている。「市場にて重大な混乱と価値の低下を示す十分な証拠があります。この商品がナイキ公認であるという誤った認識をもとにしたMSCHFのサタンシューズ発表の際のナイキに対するボイコットの動きなどがあります」
一方のリル・ナズは29日に、謝罪を装った動画を投稿、「OK、皆がこのシューズについて話題にしているね。僕が言いたいのは」とつぶやくと、突然「モンテロ」のMVに移行、艶めかしくポールダンスを踊るリル・ナズの姿が映し出されている。
ちなみに同MVは、FKAツイッグスのファンから、「セロファン」のMVとの類似点が指摘されるも、「セロファン」の監督を務めたアンドリュー・トーマス・ホワンは肯定的な見解を示していた。「私はリル・ナズ・Xのファンであり、『オールド・タウン・ロード』はアイコニックな曲です。コラボレーターのシェアはままあることです。『セロファン』の振付家がリス・ナズ・Xとコラボしたことは素晴らしい。(サタンのダンスは最高です)美学をシェアしオマージュを捧げることは創造過程の一環です」「集合意識というものがあります。イメージの制作は高くつくものです。『セロファン』の制作には何年もかかりました。肉体のトレーニングからツイッグスの人生を紐解く精神的な作業までを使い、彼女のトラウマと再生の物語を作り出したのです。『セロファン』は繊細な感覚に満ちた告白でした」