イベントの“相棒”双眼鏡 コロナ禍の大規模イベント中止で低倍率の舞台用が人気

会場・座席ごとのおすすめ倍率が説明されたパネル=大阪・ヨドバシカメラ マルチメディア梅田店(価格は3月4日時点)
会場・座席ごとのおすすめ倍率が説明されたパネル=大阪・ヨドバシカメラ マルチメディア梅田店(価格は3月4日時点)

 コンサートや観劇の必須アイテムになりつつあった双眼鏡。昨年のコロナ禍で多くのイベントが中止になり、ライブイベントの“相棒”の売れ方はどのように変化したのか。ライブ鑑賞向けの双眼鏡売り場を大きく展開している「ヨドバシカメラ マルチメディア梅田店」(大阪市北区)で話を聞いた。

 売り場の担当者は「最近は野外コンサートが減ったので、低倍率の舞台用(の問い合わせ)が多い」と明かした。野外の大規模イベントが中止になる一方、室内の指定席で鑑賞できる舞台イベントは少しずつ上演を再開している。

 室内向けでおすすめの倍率は6~8倍。「寄りすぎず明るさも確保できる」という。売り場を訪れるのは主に「若い女性」で、梅田芸術劇場をはじめとする室内での利用を想定しする人が多い。イベントの前日や当日に“駆け込み”で購入していく人もいるという。

 同店で1番人気の商品は、天体望遠鏡や顕微鏡も開発する光学機器メーカー「ビクセン」の8倍のもの。取材時の価格は約7000円で、レンズ口径が比較的大きく、本体色の選択肢が多いことが特長だ。過去に人気グループ・嵐のコンサートが行われた際には「メンバーカラーをそろえて売り出した」という。

 電池式で手ブレを抑える機能が付いた「防振双眼鏡」も安定的な人気がある。価格はノーマルタイプの約10倍となる7万円台と高価だが「『せっかく見るんだったらいいやつを使って』と買って行かれる」と、こだわり派が購入するという。売れる数は「イベントがなくても減らない」そうで、1日に2~3点がコロナ禍前と変わらずに売れ続けている。

 ヨドバシカメラの双眼鏡コーナーといえば、イベント会場の座席表とおすすめの倍率を組み合わせた図が展示されていることで有名。この図は10年以上前から売り場に並び始めたという。「初めは2つ3つだったのが、どんどん増えていって」と、座席表の種類を増やし、今では全店舗で購入者の判断を助けている。

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