作画工程のデジタル化は「何十年かけて培った技能を生かせ、ストレスを感じないソフトがありません。また、業界として標準的なソフトが決まっていないこと、パソコンやタブレットなど購入費用が発生すること、納品できるレベルになるまでの習熟期間中(2~3ヶ月)の収入が得られないことも、デジタル環境への切換に躊躇する要因かもしれません」と課題を挙げた。
業界では対策として、数年分の使用量を確保。大坪さんは「制作手法については時代とともに移り変わっていくことは他の業種でも同様かと考えます。残念ではあるものの市場として大きくないアニメ業界に向けて製造を続けていただいていた三菱鉛筆さまには感謝をしております」とした上で、今後について「若い世代はデジタルネイティブでもあり、緩やかにデジタル作画が増えていくものと思われます」と見通しを語った。
※原画はアニメ「地下鉄に乗るっ」https://youtu.be/2OInuZFHeQo(京都市交通局、企画・制作:魚雷映蔵)より提供