HKT48の「新劇団」が旗揚げ 「何でもあり」を旗印にコロナ禍での新スタイル模索

福島 大輔 福島 大輔
HKT48による劇団「ミュン密」の旗揚げ公演「水色アルタイル」の公式ビジュアル
HKT48による劇団「ミュン密」の旗揚げ公演「水色アルタイル」の公式ビジュアル

 新型コロナウイルスの感染拡大から約1年を迎え、現在もエンターテインメント業界はかつての活動を取り戻すことができていない。そんな中、AKB48の姉妹グループで福岡・博多を拠点とするHKT48が、アイドルと演劇のコラボプロジェクト「HKT48、劇団はじめます。」(通称「#劇はじ」)をスタート。20日にオンライン公演の初日を迎えることとなった。

 「♯劇はじ」は、出演のみならず、企画、プロデュース、脚本、演出、衣装、美術、音響、映像、配信、広報まで、すべてをHKT48のメンバー(一部客演あり)が担当するプロジェクト。これまではスポットライトの下で躍動してきたメンバーが、舞台上の出演者にスポットライトを当てる役目も担う。

 HKT48を運営する「株式会社Mercury」の代表取締役・前田治昌氏によると、プロジェクト結成のきっかけは、メンバーの田島芽瑠(21)が、昨年4月に旗揚げした劇団「ノーミーツ」の旗揚げ公演「門外不出モラトリアム」のオーディションに合格し、出演したこと。「ノーミーツ」は「NO密」をもじったもので、コロナ禍において「ZOOM」を用いたオンラインでの演劇を専門する劇団。HKT48は有観客公演がままならない状況が続いていただけに、同劇団とのコラボを昨夏ごろから模索していたという。

 HKT48は昨年4月、運営会社がAKSから「Mercury」に変わったばかりだった。前田氏は「新会社にもなったことですし、アイドルの枠も広げていこうと」と経緯を説明した。だが、ほぼアイドルとしての活動しかしてこなかったメンバーが、プロの劇団員の指導を受けながらとはいえ、いわゆる“裏方”を勤め上げるのは「予想以上に大変だった。1人では何もできないし、連携があったり納期が厳しかったりと、メンバーはものすごく苦労しています」という。

 そんな高いハードルに挑む原動力は、AKB48グループに根付く「48グループは、何でもあり」というイズムだという。「48グループは、もちろんアイドルが基本ですが、モデルもいて、アナウンサーもいて…と、何でもできる個性の集合体なんです」と前田氏。メンバーには「『ノーミーツ』を飲み込むつもりでやれ!」とハッパをかけているという。

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