「ムー」の精神は「テーマとの距離感」予言は外れる…でも今年の東京五輪はない!?

北村 泰介 北村 泰介
月刊「ムー」の三上丈晴編集長(2018年10月撮影)
月刊「ムー」の三上丈晴編集長(2018年10月撮影)

 UFO、超能力、未確認動物、超常現象、古代文明、魔術、都市伝説…。1979年の創刊から「世界の謎と不思議」に挑戦してきた月刊「ムー」(ワン・パブリッシング発行)は、40年以上に渡ってブレないスタンスを貫いている。「ムー」とは何か?91年からムー編集部歴30年となる三上丈晴・5代目編集長に話をうかがった。

 -ムーの精神とは。

 「テーマに対する距離感でしょうか。雑誌の作り手が、すべてが事実であると押し付けるようなスタンスだと、読者はドン引きしてしまう。かといって、少しでも茶化すと、白けてしまう。あくまでも、テーマに対して真摯に向き合って、一般の人が抱く疑問を一つ一つ検証していく。その上で、最後に残った謎について、大胆な仮説を提示する。あくまでも、一つの仮説と提示することで、知的エンターテインメントとして仕上げるということでしょうか」

 -印象的な特集は?

 「邪馬台国の透視(2008年3月号)はジョー・マクモニーグル氏(※FBI超能力捜査官)との会話の中で出てきた企画です。ノストラダムスの大予言(99年7月発売号)は1999年の予言詩に対する様々な解釈、説を徹底的に検証して、その真相に迫るというもの。ノストラダムスが用いた占星術と魔術の視点から分析した専門的な記事です。最近ではウイルス進化論の総力特集(20年12月号)です。30年前は異端だった説が、いまやウイルス学の常識として認められている。コロナ禍の昨今、ウイルスに対する関心もあって、人気でしたね」

 -「ムー民」と称される愛読者について。

 「読者が卒業せず、そのまま持ち上がっているので、かなりムー的な知識が豊富な方が多いように思われます。都市伝説が一般的になったことが大きいかもしれませんね。女性では、スピリチュアルが少しおしゃれなタームになったことも。コンプライアンスコードのため、地上波でのテレビ番組では深く突っ込んだ企画ができない分、ネットの世界で盛り上がりを見せています。特にYouTubeなどの動画チャンネルでは、けっこう注目されているのではないでしょうか」

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