SNSを開けば、塾の比較や合格実績の話題があふれている。どの塾が最難関に何人合格させたか、転塾すべきかどうか。2026年に中学受験を経て大学付属中学校に進学した長女を持つ筆者も、かつてそうした情報を必死で追いかけていた1人だ。しかし娘の受験を終えた今、「その問いの立て方自体がずれていた」とはっきり言える。
A判定の子でも本番では落ちることがある
残酷な話だが、中学入試では模試でA判定を取り続けた子が本番で落ち、E判定だった子が合格することがある。娘の受験を通じて関わった先生によると、自分の実力に自信を持ちすぎている子ほど、本番で見慣れない問題が出たときにパニックになりやすいという。
実は、筆者の娘は模試でC判定までしか取れたことがなかった。結果を見るたび落ち込み、涙し、追い込まれていった。ただ、今思えば娘にとってはその状況が良かったのかもしれない。油断できる余地がなかったからこそ、弱点から目を背けることなく最後まで走り切れた。
そしてその姿勢を支えてくれたのが、苦手な部分に向き合い、相談すれば一緒に考えてくれる塾の環境だったと感じている。
塾選びで本当に見るべきこと
大切なのは「合格実績」だけではなく「その塾でわが子が伸びるかどうか」だ。娘が通った塾は合格実績で言えばトップクラスだった。それでも当然、そこに通う全員が第一志望に合格できるわけではない。
同じ環境にいても結果が分かれるのは、結局のところそこでどれだけ子どもが弱点と向き合い続けられるかどうか、そしてその姿勢を引き出してくれる環境かどうかだと感じている。娘の場合は担当になった塾の先生と、相談すれば一緒に考えてくれる、必要と判断すれば追加教材を出してくれる関係を築けたことが、結果的に合格につながったのだと思う。
例えば、娘は算数が苦手だった。家では夫と一緒に教科書を例題から全部やり直し、塾のプリントは全問100点になるまで3〜4周繰り返した。漢字は毎日100問以上こなし、先生に頼んで追加教材ももらった。華やかさとは無縁の積み重ねだったが、この地道さが本番の土台になったのだ。
もしもこれから子どものために塾を選ぶとしたら、合格実績だけでは判断しない。それよりも、実際にどれだけ子どもに寄り添い、必要な勉強方法や教材を出してくれるか、そしてわが子がその環境で本気になれるかを考えて選ぶだろう。
◆橋本ひとみ(はしもと・ひとみ) 3児を育てるママライター
2026年、長女が1度塾をやめるという回り道を経て大学付属中学に進学。現在は長男が大手中学受験塾で中高一貫校を目指して奮闘中。次男は中学受験はせず公立へ進学予定と、3人3様の選択をする子どもたちに日々翻弄されている。中学受験を支える親のリアルをSNSで発信中。
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