映画「マスク・オブ・ゾロ」シリーズや「スパイ・キッズ」シリーズなどでも知られ、「ペイン・アンド・グローリー」(2020年)では米アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされたこともある俳優アントニオ・バンデラス(65)は、2017年に命に関わる心臓発作を経験したことについて、「人生の見方が変わった」と語っている。医療的緊急事態をきっかけに人生を見つめ直し、ハリウッド中心の生活から距離を置く決断をしたという。
「パディントン 消えた黄金郷の秘密」のアントニオは心臓発作を患ったのち、出生地であるスペイン南部マラガに戻り、非営利の劇場「テアトロ・デル・ソーホー」を購入。現在はパートナーのニコール・キンペルとともに暮らしながら、舞台活動を生活の中心に据えており、「これまでで一番幸せだ」と語っている。
英「タイムズ」紙のインタビューで、アントニオは心臓発作について「本当に深刻な警告だった。人生の見方が変わった」と振り返り、死を意識したことで、自分は本質的に舞台俳優なのだと気づいたと明かした。「死と向き合い、自分が何者なのかを見つめ直した結果、これほど幸せを感じたことはない」と述べている。
さらに、亡くなる数カ月前の父との思い出として、聖金曜日の行列を見ていた際、敬虔なカトリック教徒だった父が「死後には何もないと思う」と語ったエピソードを回想。その言葉を踏まえ、「自分は幽霊になって劇場に戻り、そこに取り憑くつもりだ」と語り、舞台への深い愛情を示した。