今年度もあと1カ月で終わりますね。
おうち受験コーチング代表の鈴木詩織です。
この時期、ポストには毎日のように学習塾の新年度生募集のチラシが入ります。「中学生になるし、そろそろ塾に入れないと」「周りの子が行き始めたから不安」と焦りを感じている親御さんも多いのではないでしょうか。
多くの人が「成績を上げるには塾に行くのが当たり前」と思い込んでいます。しかし、実は「成績トップの子=塾に通っている」とは限りません。むしろ、学年1位を取るような子は塾に行っていなかったり、直前期まで自学自習で進めていたりすることが多々あります。
なぜ、彼らは塾に行かずにトップレベルの成績を取れるのでしょうか?そこには、多くの中学生が陥りがちな「罠」と、トップ層だけが知っている「最強の自宅学習法」の違いがありました。
▼塾に通うと成績が下がる?「学習のミスマッチ」の罠
「塾に入れたのに成績が上がらない、むしろ下がってしまった」というケースは珍しくありません。これは、お子さんの才能や努力不足ではなく、「学習のミスマッチ」が原因です。
中学での定期テストはあくまで学校の教科書やワークノートなどから出題されます。しかし、塾に入ると、週に複数回授業を受け、塾用の新しい問題集と宿題が出るため、子どもたちは塾の学習をこなすだけで手いっぱいになってしまいます。その結果、一番大切な「学校教材の復習」がおろそかになり、成績や内申点に結びつかない「逆転現象」が起きてしまうのです。
実際に、塾に通いながら学校の教科書やワークの勉強まで完璧にこなせる子は、体感で3%未満しかいません。成績を上げようと塾に通う「努力」が、かえって学校の勉強をおろそかにさせ、成績低迷を招いているのです。
▼学年1位の子が実践している「最強の学習法」
では、塾に行かずに成績を上げる子は、家で何をしているのでしょうか。特別な裏技を使っているわけではありません。
中学の授業は、生徒が予習と復習を家庭で行うことを前提として進められます。学年1位の子は、この前提を忠実に守り、「予習→授業→復習」の学習サイクルを、学校の教材を中心に回しているのです。中途半端に複数の教材に手を出すのではなく、学校のワークなど、何か一つ決めた教材を徹底的にやり込むことが大切です。
また、人間は覚えたことを24時間後には大幅に忘れてしまいます。そのため、最も重要なのは、「その日のうちに、授業で習ったことをもう一度復習する」ことです。トップ層の子たちは、この「忘れる前に思い出す工夫」を日々の習慣として定着させているのです。
▼塾に行くべき「本当のタイミング」とは
これを聞くと「じゃあ、塾には絶対に行かない方がいいの?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
最も重要なのは、塾に行くにせよ行かないにせよ、その手前に「自分なりの学習法が確立しているか」どうかです。自分なりの学習法が確立していないまま塾に行ってしまうと、塾を上手に使いこなせません。
まずは家庭で「学校の教材を使った予習・復習のサイクル」を身につけること。そして、自分なりの学習法が確立しており、一人でできないところを塾に行って補う、もしくはライバルと切磋琢磨して自分を高めていきたいと思った時こそが、塾に行く最適なタイミングなのです。
▼最後に…親ができる最高のサポート
「塾に丸投げ」するのではなく、お子さんが家で「自ら学ぶ力」を身につけること。それこそが、高校受験だけでなく、その先の人生を切り拓く力になります。
新学年を迎えるこの時期、焦って塾の申込書にサインをする前に、まずは「おうちでの学習環境とやり方」を親子で見直してみませんか?
<プロフィール>
鈴木詩織 受験コーチング協会代表理事。中学受験・高校受験・大学受験を目指す親子向けの受験コーチングをオンラインで行う「おうち受験コーチング」のサービスを展開。4000家庭以上の親子の受験に向き合う。著書に『おうち受験コーチング』『子どもが自走する言い換えビフォーアフター』共著に『おうちエニアグラム』いずれもみらいパブリッシング。