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「眠りの借金」ためていませんか 季節の変わり目の睡眠負債に注意 医師も勧める“快眠食材"とは

悠々〜ライフ

田中 靖 田中 靖
画像はイメージ(siro46/stock.adobe.com)
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 朝晩の冷え込みが増してくる秋から冬にかけて、「なんとなく眠りが浅い」「朝起きても疲れが残る」と感じる人が多くなる。寒暖差や日照時間の変化で体内時計のリズムが乱れやすくなることが原因とされる。この時期に気をつけたいのが、知らず知らずのうちにたまってしまう「睡眠負債」だ。

 睡眠負債とは、必要な睡眠時間に対して実際の睡眠が不足し、その不足分が蓄積した状態。つまり、少しずつの寝不足が積み重なった状態のことだ。たとえば「あと1時間寝たいけれど早起きしなければ」といった日が続くと、体と心に“眠りの借金”がたまっていくことになる。休日に長く眠っても、完全に取り戻すことはできない。

 厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド」では、成人の目安として6〜8時間の睡眠をすすめている。ただし、大切なのは時間の長さより「ぐっすり眠れた」と感じられるかどうかだ。寝不足が続くと、集中力や判断力が落ちるほか、高血圧など心血管疾患で4.95倍、糖尿病で約1.37倍、うつは最大2.27倍など病気のリスクが高まるという。

 秋から冬にかけては、日照時間が短くなり、体内時計を整えるホルモン「メラトニン」のリズムが乱れがちとなる。朝すっきり起きられない、昼間に強い眠気を感じる、夜になかなか寝付けない―そんな変化が出やすい季節でもある。

 では、どうすれば睡眠負債をためずにすむのか。

 まずは「毎日のリズムをそろえる」ことだ。就寝と起床の時間をできるだけ一定にし、休日でも平日との差を2時間以内にすると体内時計が整いやすくなる。朝はカーテンを開けて日の光を浴び、夜はスマートフォンやテレビの強い光を避けるのが望ましい。

 また、睡眠だけでなく「休養」も大切。昼間に軽い体操や散歩をする、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる、趣味や音楽で気分転換する―こうした時間が、眠りの質を高めてくれる。もし眠れない夜があっても、無理に寝ようとせず、一度布団を出て静かに読書をしたり、温かい飲み物を口にしたりするのもおすすめだ。

 トマトジュースのチカラ

 食生活にも気をつけたい。東京都渋谷区、そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニックの工藤孝文副院長(42)は、睡眠の質を高める「GABA」と日中の眠気防止に役立つ「リコピン」を含むトマトジュースを推奨する。「GABAを100mg摂取するには、生のトマトだと7個も必要ですが、濃縮タイプのトマトジュースならコップ1杯(200ml)で摂れます。リコピンは継続的な摂取で食後の血糖値上昇を緩やかにする効果も研究で明らかになっています。日中の眠気防止に役立つ効果もあり、即効性ではなく続けることが重要です」と話す。「飲むタイミングは、睡眠の質を高めたい場合は就寝30分前がおすすめ。温めた牛乳と割ったり、青汁と混ぜると効果的です。青汁に含まれるGABAとトマトジュースのGABAがダブルで作用し、睡眠の質向上が期待できます。昼間の眠気を防止したい場合は15時ごろがベスト。トマトジュースが苦手な方は、炭酸水で割るとさっぱりとして飲みやすくなります」と話す。

 「よく眠ること」は、からだの疲れをとるだけでなく、気持ちを明るく保ち、病気を防ぐ力にもつながる。季節の変わり目こそ、自分の眠りを見直したい。眠りの借金をためず、毎朝すっきり目覚められる日々が、元気な冬を過ごす第一歩となる。 

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