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52%超が自宅でヒートショックの不安経験 屋内で注意すべき3カ所とは リフォーム課題は費用と施工の透明性

悠々〜ライフ

よろず~調査班【ライフ】 よろず~調査班【ライフ】
画像はイメージ(sparker/stock.adobe.com)
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 朝晩の気温が下がり、冬の訪れを感じる季節。家の中の温度差が、家族の健康を脅かすリスクになることもある。暖かいリビングから寒い浴室や脱衣所へ移動すると、血圧が急変し、心臓や血管に負担を与える「ヒートショック」だ。三菱地所ホーム株式会社はこのほど、60歳以上の親と同居中の30~60代の男女1028人を対象に、「“ヒートショック不安”と住宅リフォームのきっかけ」に関する調査を実施、結果を公表した。

 冬場、家の中で、他の場所との温度差を日常的に感じる場所について尋ねたところ、「浴室・脱衣所」が84.1%で最も多く、「トイレ(58.3%)」「廊下・玄関(44.3%)」と続いた。これらの場所は暖房が届きにくい構造だったり、換気による熱損失が生じやすいため、居室との温度差が大きくなりやすい環境だ。入浴や着替えといった身体の露出が多い行動が重なることで、体感的な寒さが一層強まると考えられる。

 ヒートショックの原因で知っているものを尋ねたところ、「暖かい部屋と寒い浴室・脱衣所などの温度差(85.3%)」が最多で、「脱衣所・浴室・トイレなどの暖房が不十分(46.2%)」「お風呂のお湯の温度が高すぎる(39.9%)」と続いた。有効な対策については、「浴室・脱衣所、トイレなど居室以外の部屋へ暖房器具を設置する」が68.0%で最も多く、「エアコンやサーキュレーター、全館空調などで室内の温度を一定に保つ(57.0%)」「お風呂のお湯を熱くしすぎない(35.7%)」「健康的な身体づくり(33.5%)」などが挙がった。

 自宅でヒートショックの不安を感じた経験は、「よく」と「たまに」を合わせて52.8%と半数を超えた。具体的には「入浴前に服を脱ぐとき(69.4%)」「朝起きて布団から出るとき(54.4%)」「入浴後に浴室から出た直後(52.2%)」が上位に挙がった。身体が急激に冷気にさらされる状況で、寒さが身体的な負担になっていることを多くの人が実感している。

 ヒートショック対策のための住宅設備の見直し・リフォームについては、「したことがある(15.1%)」「したことはないが、具体的に検討している(11.4%)」「したことはないが、いずれはしたいと思っている(37.1%)」「したことはなく、する予定はない(36.4%)」となった。約半数が将来的な実施意向を持っている。

 実際に行ったor行いたいリフォームでは、「浴室暖房乾燥機・断熱浴槽など浴室・脱衣所の断熱や暖房設備の見直し(62.3%)」が最も多く、「暖房便座・換気暖房ユニットなどトイレの暖房・換気設備の見直し(43.2%)」「二重窓・Low-Eガラスなど窓やサッシの断熱リフォーム(31.3%)」が人気を集めた。

 また、家全体で温度が均一であることは、家族と快適に暮らすうえで重要だと思うかを尋ねたところ、約9割が「とても重要だと思う(35.4%)」「やや重要だと思う(55.4%)」と回答。同居する親のためにも、住まいの快適性を高めたいと思うかについても「とてもそう思う(26.3%)」「ややそう思う(58.7%)」という回答が約9割にのぼった。高齢の家族と暮らす世帯では、ヒートショック対策も含めた住まいの快適性が、住まいづくりの重要な関心事となっている。

 リフォームを検討する際の不安・課題では、「イニシャル(導入)費用が高い(53.9%)」が最も多く、「施工や業者選びが不安(30.9%)」「リフォーム後の設備のランニング費用が気になる(30.6%)」と続いた。金銭的な負担だけでなく、信頼できる情報や業者選びの安心感が重視されている。施工業者にとっても、費用対効果や施工の透明性を明確に伝えることが、心理的ハードルを下げる鍵になると言える。

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