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【中学受験】志望校はどう絞る「通学1時間以内」「宗教系ではない」親の思いと子どもの希望どちらを最優先にするか

受験

野田 茜 野田 茜

 中学受験に取り組む家庭にとって、小学6年生の秋から入試本番に向けての半年間は、模試の結果や学校説明会の印象をもとに具体的に受験校を絞り込んでいく大切な時期だ。筆者の家庭でも長男(現在高校1年生)の中学受験を経験した際、志望校を選ぶ過程でさまざまな条件を洗い出した。

 まず子どもの希望は「宗教系の学校ではないこと」と「できれば男子校であること」。宗教校には礼拝など、宗教に関わる行事がある。長男はそうした場面が、自分にはしっくりこないかもしれないと感じていたようだ。

 一方、親としては現実的な条件を重視した。まずは「自宅から乗り換え1回、ドアtoドアでおおむね1時間以内」という距離だ。これは単に通学の便利さだけでなく、コロナ禍での感染リスクをなるべく避けたいという思いや、長時間マスクをつけての通学は子どもにとって負担が大きいだろうという考えがあったからだ。当時は状況の先行きがまったく見えず、混雑した車内で過ごす時間はできるだけ減らしたかった。さらに帰宅後には宿題だけでなく、ある程度の自由時間も確保してほしい。そう考えると、片道1時間程度が「上限かな」というラインになった。

 次に注目したのは、学校がどの程度ICTを活用しているかという点だ。単に「タブレットを配布しています」という話ではなく、学校の姿勢としてどれだけ効果的に取り入れているのかが気になった。具体的には、学校説明会や学校紹介の動画配信を積極的に行っているか、そこに生徒がどのように関わっているか、さらに各種申し込みを行うホームページの使いやすさなどである。

 ある学校では申込みボタンはあるのにキャンセルボタンがなく、キャンセルはメールで連絡する必要があった。これでは保護者にとっても学校にとっても手間がかかるし、キャンセル待ちをしている人がすぐに申し込めない。そういう小さな点から「この学校、ちょっと不便だな」という印象を受けてしまった。入学後の学校生活でも、連絡がアナログすぎると面倒が増えるのでは、という不安につながった。

 さらに「大学受験で塾に通わずに済むような手厚い指導をしてくれる学校かどうか」も、できれば満たしたい条件だった。筆者には子どもが3人いるため、教育費のことは常に頭にある。もちろん長男が「塾に行きたい」と言うなら、その希望はかなえるし、親としても精いっぱい応援するつもりだ。ただ、子どもたち3人が留学や他県への進学など、どんな進路を選んでも可能な限りサポートしていけるように、抑えられる出費はなるべく抑えたいという思いがあり、それが学校のサポートでかなえられるなら、ぜひそうしたいと考えていた。

 ただし、すべての条件を満たす学校は存在しない。いくつもの候補校を調べてみたが、どの学校も一部は合致しても全てはそろわなかった。そこで重要になったのが優先順位づけである。筆者の場合、長男の希望から「宗教系の学校ではないこと」を最優先にした。

 志望校選びに正解はない。模試の偏差値や周囲の評価に引っ張られがちだが、毎日通うのは子ども本人。実際の学校生活をイメージしながら「子どもが楽しく過ごせる学校」を一緒に探していくことが、志望校選びの最大のポイントだと感じている。

<プロフィール>

野田 茜

 2男1女のママライター。2022年、高1長男が完全塾なしで中学受験をし、偏差値(四谷大塚)60半ばの中高一貫校へ進学。現在、小5次男が通信教材を利用し自宅学習で中学受験に挑戦中。自身は中学受験未経験で大学まで公立育ち。中学受験の問題の難易度にまったく歯が立たず、逆に子供に教えられる。「ママ、教えてあげよっか?分かる?」と次男に心配される日々。

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